9月30日まで有効の定期券を持っていて、その9月30日は会社帰りに飲みに行って帰りが遅くなった。
改札口で時間を見ると23時50分でまだ定期券の有効期限内だった。
でもここから電車に乗って最寄り駅までは30分ほどかかり、降りるときには10月1日になっている。
はたしてこの定期券で降りることはできるのだろうか。
といった有効期限を迎えた定期券で0時を回っての使用はどうなるのでしょうか。
規則では有効期限の24時までに改札に入ればOK
定期券と一般的に呼んでいますが、定期乗車券が正式な名称です。
そして定期乗車券に関する規則では発売方法・料金・様式といったものはありますが、有効期限の24時を回った場合の乗車に関する決まりは特にはないので、乗車券全般の決まりを準用します。
各鉄道会社の乗車券の効力に関する規則では、改札から駅に入った後に有効期間を迎えた場合、途中下車をしないで目的地まで向かう場合には券面に表示された着駅まで引き続き乗車することができるとなっています。
9月30日まで有効の定期券で9月30日の23時59分までに改札を通れば、降りるときには10月1日になっていても大丈夫だという決まりになっています。
以下はJRの旅客営業規則からの抜粋です。
有効期限翌日となる0時以降は改札には入れない?
先の規則から言うと、10月1日の午前0時00分になると改札から駅へは入ることができない、つまりは定期券は無効となって別に乗車券などを購入する必要が出てきます。
これでは何かと不都合ですので以下のような取り扱いを行っています。
私鉄の場合
私鉄の場合ですが、0時を回っても翌日扱いとせず当日扱いとしています。
9月30日の23時50分に改札から駅へと入り、下車駅では10月1日の0時30分になっていたとしても、9月30日まで有効の定期券で乗車も下車もできます。
また改札から駅へ入るのが10月1日の0時05分だったとしても、終電までなら9月30日までの定期券で利用できます。
JRの場合
JRの場合ですが、国鉄時代から電車特定区間(関東ではE電区間)と呼ばれるエリアについては私鉄と同様の取り扱いを行っています。
最終電車が終点の駅に到着するまでは日付を進めないわけですね。
ところが電車特定区間以外でも24時を過ぎて列車を運行している区間は多数あり、規則に縛られずに私鉄やJRの電車特定区間と同じように、9月30日まで有効の定期券で10月1日の0時05分ごろに改札を通って最終電車に乗車することも可能としています。
鉄道各社の社員さんたちは0時という表現を用いず24時と表現し、午前1時は25時と表現しています。
今回の例でも下車するのは10月1日の0時30分ではなく9月30日の24時30分と表現しますし、10月1日の0時05分に改札から駅へ入るのではなく9月30日の24時05分に改札から駅へ入ったとしています。
定期券の有効期限は最終電車まで有効としておれば、無用なトラブルも回避できますからね。
年末から年始にかけての終夜運転
12月31日から1月1日にかけては終夜運転と呼ばれる、一晩中電車を運転する路線があります。
では12月31日まで有効の定期券で終夜運転の電車に乗れるのか、またそれは何時ごろまで可能なのでしょうか。
じつは終夜運転に関する切符類の規程や規則というものは存在せず、取り扱いは一般の規則(JRならば旅客営業規則第155条)によりますし、通常の取り扱い通り最終電車までは日付は変わっていないものとして取り扱っています。
でも終夜運転の最終電車ってどの電車なの?となるのですが、考え方としては通常の始発電車の1本前が最終電車だとか、概ね2時から3時ごろに最終と始発の境目があるとかいろいろな意見がありますが、終夜運転実施時の最終電車とか始発電車は決まっていないというか決められないのが実情です。
だって夜中の3時になると日付を1月1日とするので、12月31日までの定期券は使用できません!なんて扱いをしていると、お酒が入ったお客さんとトラブルになることが必至です。
「2時59分は12月31日で3時なると1月1日になるだなんて、どこに決まっててどこに書いてあるんだ!」
というお客さんが現れることが目に見えますからね。
終夜運転をしていてもしていなくても、券売機や改集札機の日付は2時から3時ごろに変更されると言います。
※昔は最終電車が出発後に駅員が手動で日付を変更していましたが
しかし2時40分ごろに切符を買って改札に入り、30分間隔での運転だから実際に乗車したのは3時過ぎで、目的地の駅の改札に切符を入れると閉まって出られなくなった、というケースも考えられます。
そこで通常のダイヤである始発電車が動き出すころまで、自動改集札機の日付のチェックだけをはずしておくことでこういったトラブルを回避している会社もあります。
終夜運転の際は最終電車は何時何分で始発電車は何時何分、そして切符や定期券の有効期限に関する日付を変えるのは何時何分といったように、明確に決めないことでトラブルを避けているのです。