ワキガのニオイがしてきたからといって「あなた臭いんじゃない?」とは言いにくいものの、周りの人はあまり良くは思わないものです。
でもそれ以上にワキガのニオイを発している本人は本当に気にしているものです。
脇などにはクリームやスプレーを使って対策しているものの、ワキガ臭の染みついた衣類についてはお手上げ状態という方が多いことでしょう。
なにせ何度洗ったところで衣類に付いたワキガ臭は軽減するどころか、どんどんひどくなっていく・・・
ワキガ臭がしたりワキガによって黄ばんでしまった衣類をキレイに洗う方法。
そしてワキガ臭が移りにくい衣類にする方法を見ていきましょう。
ワキガは遺伝する
ワキガって病気などではなく体質によるもので、遺伝が原因とされています。
父または母がワキガならば子どもがワキガになる確率は50%以上。
両親がともにワキガならば80%以上の確率で、その子供はワキガになるのです。
そしてワキガ臭のする衣類を他の人の衣類といっしょに洗濯したからといって、ワキガが移ることもありません。
ワキガの人のそばにいるからといって、ワキガが移ることもありません。
もしもご自身やパートナーがワキガだとしたら子どももワキガになる可能性がかなり高くなりますので、脇のお手入れのアドバイスのほか、衣類に付着するワキガ臭や黄ばみについても気にしてあげてください。
洗ってもなぜワキガ臭は落ちないのか
ワキガになるとなぜあのニオイが発生するのか、それはふつうの汗とは違ってアポクリン腺から出される汗は脂質やたんぱく質を含んでいて、皮膚に常在する細菌によって分解されるときに腐敗することで発生します。
さらに皮脂腺から分泌される皮脂が加わることでニオイが増幅されるのです。
こうしてできたワキガ臭が類服に付くと、ふつうに洗濯機で洗っただけでは落ちてくれません。
さまざまな成分が入り混じって腐敗したニオイであることと、皮脂つまりはアブラがさらにに混じることでふつうに洗濯しただけでは落ちにくくなっているのが原因です。
油と他の汚れが入り混じった作業服の汚れがなかなか落ちてくれないのと、原因としてはかなり似ていると言えますね。
油(脂)汚れは酸性だからアルカリ性のもので落とす!
換気扇やレンジフード、ガスコンロ周りの汚れを落とすのに重曹やセスキ炭酸ソーダを用いることはよく知られるようになりました。
油汚れは酸性、そして重曹やセスキ炭酸ソーダはアルカリ性。
つまり汚れとは逆の性質のものを用いると中和されて汚れを落とせるのです。
ワキガ臭も脂が混じった酸性の汚れですから、アルカリ性の重曹やセスキ炭酸ソーダを用いればニオイを落とすことができるのです。
重曹やセスキ炭酸ソーダでワキガ臭を落とす
・重曹
- 洗濯機に洗剤といっしょに大さじ2杯程度の重曹を入れて洗濯する
- ぬるま湯に(40℃くらい)重曹を溶かして(ぬるま湯4Lに対して大さじ3杯)衣類を30分以上浸け置き、その後ふつうに洗濯機でお洗濯
- ワキガ臭の部分に重曹の粉をふりかけてぬるま湯でもみ洗い、その後ふつうに洗濯機でお洗濯
(重曹とぬるま湯を混ぜてペースト状になったものをワキガ臭部分に塗って揉むのもOK)
下に行くほど効果の高い方法です。
重曹は冷たい水には溶けにくいことと、脂汚れはお湯のほうが溶け出しやすいので、ぬるま湯を使用すことを推奨します。
・セスキ炭酸ソーダ
- セスキ炭酸ソーダを2Lの水に対して小さじ4杯ほどを溶かし、スプレーボトルに入れてワキガ臭の部分にスプレーしてその後洗濯機でお洗濯
- 洗濯機に洗剤といっしょにセスキ炭酸ソーダを大さじ1~2杯を入れて、3時間から半日ほどつけ置きしてからふつうに洗濯機を回す
あまりたくさんのセスキ炭酸ソーダを使用すると、セスキ炭酸ソーダのニオイが衣類に移ってしまうことがあるので注意しましょう。
また重曹・セスキ炭酸ソーダともに衣類が色落ちしないとは限りませんので、目立たない所でチェックしてからお洗濯してください。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤を水またはぬるま湯に溶かして、3時間から半日ほどつけ置きします。
軽くすすいでからふつうに洗濯機で洗えばOkです。
酸素系漂白剤はアルカリ性ですし殺菌効果もありますので、ワキガによる黄ばみのほかワキガ臭にも効果があります。
重曹と酸素系漂白剤をいっしょにぬるま湯に溶かして、3時間から半日ほどつけ置くとさらに効果がアップします。
オキシドール
オキシドールとは過酸化水素水のことで、傷などに塗ることで消毒することができます。
その消毒力は強く、ワキガ臭のニオイの素も消し去ることができます。
ワキガ臭を除去する時には、酸素系漂白剤と同じようにオキシドールをぬるま湯に混ぜて、3時間から半日ほど浸け置きし、その後はふつうに洗濯します。
ジャケットやスーツなどご家庭で洗えない物のワキガ臭を取るときには
- スプレーボトルにオキシドール1に対して水を2入れる
- アンモニア水を2~3滴入れる
- 軽く振ってワキガ臭のする部分にスプレー
- そのまま乾くまで待つ
オキシドールもアンモニア水も薬局で手に入りますので、ぜひお試しください。
もうお気に入りの服にワキガ臭をうつさない!
ここまでは衣服について取れなくなったワキガ臭を落とす方法を見てきました。
でもせっかく落としたワキガ臭なのに、何もしないでそのまま着ていればまたワキガ臭が移ってしまいます。
そこで衣類にワキガ臭が移らない方法を見ていきましょう。
なんと言ってもワキガのニオイを抑えるのが第一
ワキガのニオイが体から発しなければ衣類にニオイが移ることはありません。
といっても完全に抑えるのはなかなか難しいのですが、汗をかいたら小まめに拭き取るなどそれなりの対策が必要になってきます。
セスキ炭酸ソーダ
お洗濯の時にも使用したセスキ炭酸ソーダですが、スプレーボトル(2Lの水に小さじ4)に入れたセスキ炭酸ソーダを衣類を着る前にワキガ臭が良くつく部分にスプレーします。
ワキガ臭のほか汗や体臭を衣類が吸い取ってしまうのを抑えてくれますよ。
ミョウバン
薬局などで販売している焼きミョウバンを水に溶かして使用します。
水1.5Lに焼きミョウバンを50g入れてよく混ぜて数日(2~3日)放置します。
ミョウバンはすぐには水に溶けないので、溶けて水が透明になるのを待ちます。
出来上がったミョウバン水は原液ですから、使用する時は30~50倍程度に水道水でうすめてから衣類にスプレーします。
この薄めたミョウバン水は体にも使用でき、わきの下などに塗っておけばワキガ臭をある程度抑えることもできます。
そのほか気になる足のニオイのために直接足に塗ったり、靴にスプレーするなどミョウバン水はかなり使い勝手がいいですよ。
まとめ
ワキガ臭ってふつうに洗濯するだけではなかなか落ちてくれません。
脂質やたんぱく質などからなるアポクリン腺から出される汗を、皮膚の常在菌が分解することで腐敗して発生するニオイで、さらに皮脂が混ざることでふつうに洗濯しても落ちなくなるのです。
皮脂などを含むためワキガ臭やワキガによって黄ばむ色は酸性であり、アルカリ性のもので中和することで落ちやすくなるのです。
またワキガ臭が衣類に移らないように自身のワキガ対策のほか、衣類にもセスキ炭酸ソーダやミョウバン水をスプレーしてワキガ臭が移らないようにすることも大事です。