よくフェリーを利用する方からすればどうってことない事でも、これまでにフェリーを利用したことがない方からすれば、そのすべてが疑問だらけなのは当然です。
フェリーに乗ってみたいけど・・・
そんな方の疑問にお答えしていきます。
フェリーってやっぱり船酔いする?
フェリーを利用したことがない方にとって、やはり気になるのが船酔いに関してですね。
鉄道・自動車(バス)・飛行機と比べて船は上下動が激しいイメージがあり、よく乗り物酔いしてしまう人はどうしてもフェリーを敬遠してしまいがちです。
ところが日本の長距離フェリーは10000tを超える大型船が就航しており、よほど天候が悪いときでないと揺れを感じることはありません。
むしろバスよりも乗り物酔いしにくいと言えます。
船酔いを防ぐ方法など詳細はこちらを参考にしてください。
フェリーへの車の出し入れは前進?バック?
中長距離フェリーをはじめ数分で到着するような短距離航路のフェリーも、今はほとんどが前進でフェリーに載せて前進でフェリーから出ていきます。
フェリーには前後に車の出入り口(ランプ)が設けられているので、バックするということはほとんどありません。
混雑時にフェリーの車両甲板で縦列駐車で指示された場所に止めるように言われることもあるようですが、筆者はそういった経験は一度もありません。
瀬戸内海の島同士を結ぶような短距離のフェリー(渡し舟)には、フェリーの前部にだけ車の出入り口のある船(単頭型)もあります。
筆者の経験では、バックで船から出るほうが難しいからバックで船に載せるように指示されました。
ただ近年は島同士を橋で結ぶことが多くなり航路自体の廃止や、廃止になった航路から船を購入・譲渡されて前後に車の出入り口のあるものと置き換えることもあり、フェリーにバックで車を載せるという経験は今では貴重なことかもしれません。
フェリーの中の駐車枠には勝手に止めても良い?
フェリーに車を載せるときも、どこに車を止めるのかもすべて係員の指示に従ってください。
客室への入り口から近い所に止めたいという気持ちも分かるのですが、すべては係員次第です。
フェリーの車両甲板という限られたスペースに車を詰め込んでいくので、係員の指示通りに駐車する必要があるのです。
オートバイはどこに積む?
オートバイは船が揺れたときに倒れないように、壁際に駐車を指示されることがほとんどです。
壁際のパイプなどとオートバイを縄で縛り、ちょっとやそっとじゃ倒れないように固定します。
縄で車体に傷が入らないのかな?と心配になるほどです。
※最近は縄と車体の接触部分に布を当てて傷が入らないようにするフェリーもありますよ。
なおセンタースタンドではなくサイドスタンドで駐車します。
そして基本的にサイドスタンドが壁側に向くように駐車します。
車の同乗者は車に乗って乗船するの?
これはフェリー会社によってまちまちです。
同乗者は徒歩で乗船口から乗船する場合と、運転者と一緒に車に乗って乗船するケースとがあります。
主な航路では以下のようになっています。
運転者と同乗者は別々で乗船
- シルバーフェリー
- 新日本海フェリー
- 太平洋フェリー
- 商船三井フェリー
- 阪九フェリー
同乗者も車に乗って乗船
- 青函フェリー
- 津軽海峡フェリー
- オーシャン東九フェリー
- 名門大洋フェリー
- フェリーさんふらわあ
- 宮崎カーフェリー
- 四国オレンジフェリー
- ジャンボフェリー
- 松山・小倉フェリー
運転者と同乗者は別々で乗船となっているフェリー会社でも、介助がなければ乗船が難しい場合などは運転者と一緒に車で乗船することが認められますし、同乗者も車に乗って乗船するフェリー会社でも、出航までの時間が短い場合などには、同乗者は徒歩客と一緒に一般の乗船口から乗船させられることもあります。
中短距離のフェリーの場合は、同乗者は運転者と一緒に車で乗船することがふつうです。
運転者と別々に乗船する場合は、船内での待ち合わせ場所をあらかじめ決めておくほうが良いですね。
もっとも分かりやすいのは案内所ですので、案内所の前で待ち合わせが一般的です。
下船時も同乗者は車に乗ってはダメ?
下船時については、運転者と一緒に車に乗って下船します。
乗船時はほかに動いている車やトラックが多いことから、同乗者の安全確保のために運転者とは別に乗船するとなっているフェリー会社があるようです。
逆に下船時は、車が動いていないときに車に乗り込むことがふつうですから、同乗者は運転者と一緒に車で下船できるようになっています。
オートバイで2人乗りの時は?
オートバイで2人乗りで乗船する場合、中長距離フェリーでは同乗者は徒歩客の乗船口から乗船することがほとんどです。
短距離のフェリーでは2人乗りでそのまま車両甲板から乗船します。
下船時は同乗者もオートバイに乗って下船します。
フェリーは定刻で到着しますか?
フェリーは意外と遅れることはありませんが、分単位の正確性も持ち合わせてはいません。
割と多いのがトラックや自動車、貨物の積み込みに手間取って出航が遅れるケース。
最大で1時間程度の遅れが出ることがあります。
筆者が経験した最もひどいケースでは、神戸―那覇航路の「ニューあかつき」が大阪南港での貨物積み込みに手間取って2時間ほど遅れて出港したケースがあります。
神戸―大阪南港―宮崎―奄美大島ー徳之島ー沖永良部ー与論ー那覇と寄港する航路でしたが、奄美大島あたりでほぼ定刻になっていた記憶があります。
他には台風など悪天候による遅れがあります。
あまりにひどい天候ならば欠航するのですが、出航させたものの1~2時間の遅れが出ることはあります。
たいていは乗船前にどの程度の遅れが見込まれるかの案内があります。
筆者は最大で3時間遅れというケースに遭遇したことがあります。
別府―高松―小豆島―神戸―大阪を結ぶ客船の「あいぼり丸」に別府から乗船したのですが、台風接近により他の航路はすべて欠航となった中の出航でした。
これらのケースはレアですので、よほどのことがないかぎりは遅れても1時間ほど、たいていは10分前後の遅れです。
定刻に接岸しても徒歩で乗船している場合はすぐに下船できますが、自動車の場合は順番に降ろしていきますので、大型のフェリーの場合下船までに20分くらいかかることも珍しくはありません。
フェリーを降りてからの行動は、時間に余裕を持っておくほうが良いですね。
車いすでの乗船はできますか?
中長距離フェリーのほとんどには車両甲板と客室部分を結ぶエレベーターが設置してあります。
一般の乗船口も段差を無くすなどしたバリアフリー化により、大変乗船しやすくなっています。
また船内もバリアフリー化している船が多く、トイレなども使いやすくなっています。
ただ古い船体の場合にはかなり大きな段差があり利用しにくいこともありますが、乗船時や船内の船員に声をかければ手伝ってもらえますので大丈夫です!
妊婦は乗船できますか?
フェリーには医師や看護師は同乗していないことや、長時間寄港しないことから妊婦の乗船には制限を設けているケースがあります。
長距離フェリーでは妊娠8か月を迎えた方は乗船できないケースがほとんどです。
万が一のことを考えてのことですから、鉄道や自家用車などでの移動を考えるほうが良いでしょう。
ペットと一緒に乗船できますか?
フェリー会社や航路(船)によって取り扱いが異なります。
ペットルームやペットと一緒に入室可能な個室がない場合、小型のペットならばゲージなどに入れて持ち込むことができます。中大型のペットのほか爬虫類などはダメです。
鉄道を利用する場合と同じだとお考え下さい。
ペットルームやペットと一緒に入室可能な個室がある場合、これらを利用することでペットの乗船が可能となります。ただしその他のエリアには連れ出すことはできません。
大型のゲージを備えたペットルームも船によってはありますが、特定の犬種はダメだたり、爬虫類や熱帯魚などは入れ物が小さくても乗船できません。
犬・猫・ウサギ・ハムスター・小鳥などが主な対象になります。
スマホは使えるの?
飛行機と違ってスマホの電源を切る必要はありません。
電波に関しては、瀬戸内航路は比較的陸地に近いところを航行していることが多いので繋がりやすいですが、陸地から遠いところを航行する太平洋航路や日本海航路では入りにくいことが多いです。
また窓のない船の内側の方の船室(インサイド)の場合はほとんど電波は入りませんので、デッキなどに移動する必要があります。
最近の新造船では無料のWi-Fiを提供していることもあり、混雑していなければ快適に使えます。
フェリーにはどのような割引がありますか?
フェリーにもさまざまな企画商品(企画切符)が用意されており、かなり安く利用できることがあります。
各フェリー会社のホームページをご覧ください。
またJAFの割引やコンビニの端末で割引クーポンを発券するなど、さまざまな割引があります。
その他には障害者割引・被救護者割引・学生割引(学割)などの割引があります。
※学割に関しては下記のページをご覧ください
船内での飲食は?
船内では自由に飲食できますし、乗船前にコンビニなどでお菓子やジュース類を買って持ち込むことももちろんOKです。
飲み物の自動販売機は短距離航路でもたいていはありますが、売店の設置がないフェリーもありますし、あっても品ぞろえという点ではもう一つといった感じでしょうか。
※瀬戸内海の中短距離航路にはうどんコーナーのあるフェリーも。
中長距離フェリーではジュース類以外にもビールやスナック類(フライドポテトなど)の自動販売機もありますし、売店でお菓子類やおつまみなどが販売されています。
※一部の長距離フェリーには自動販売機だけといったものも。
しかし欲しいお菓子がないことも多いので、売店には期待せずにコンビニで購入してから乗船することをおススメします。
ただいくら自由とはいえ、2等の大広間や相部屋となる2等寝台などで飲食をするときは周りの方の迷惑にならないよう配慮は必要ですよ。
食堂・レストランはあるの?
最近の長距離フェリーはレストランのメニューにもこだわっている航路が多くなり、食事をする楽しみも船旅のひとつとなっています。
フェリーによってはブッフェスタイルだったり定食・セットメニューだったり、一品物にこだわっているなどさまざまなスタイルがありますよ。
詳しくは各フェリー会社のホームページの船舶の紹介などからレストランのメニューをご覧ください。
夕食だけではなく朝食もいただけますよ。
ただし一部の中長距離フェリーにはレストランなどの設備がなく自販機と売店だけというフェリーも。
※商船三井フェリーの深夜便、オーシャン東九フェリーなど
パウダールームはありますか?
中長距離フェリーは基本的に夕方出航で翌朝到着ですから、女性は下船時にお化粧ができるスペースは必要ですね。
比較的新しいフェリーには化粧室(パウダールーム)が設置されていますし、お手洗いに多数の洗面台が設置されていることが多いです。
個室には洗面台と大型の鏡が設置されています。
女性専用の船室はありますか?
女性がおひとりで船旅を楽しんだり、女子のグループでフェリーを利用することもありますよね。
夜間に航行することが多い中長距離フェリーですから、できれば女性専用の船室がほしいところです。
もっともリーズナブルな2等や相部屋となる2等寝台には、女性専用のスペースや女性専用の部屋を設けていることがほとんどです。
予約の時に女性専用のスペースを申し込んでおきましょう。
ただ女性専用のスペースには限りがありますし、その他のスペースは男女の区別は設けていません。
できるだけ早く申し込むようにし、申し込んだときに女性専用のスペースは完売となっているときは、1等などの個室の予約をするほうが良いですね。
お風呂はありますか?
中長距離フェリーには男女別の大浴場があります。
特等など上等級の個室には浴室やシャワールームの設置がある船もあります。
最近のフェリーは露天風呂を設置している船もあり、かなり快適な船旅を体感できますよ。
その他には
・カラオケルーム
・キッズルーム
・授乳室
・喫煙ルーム(喫煙ルーム以外では禁煙)
・ペットルーム
・コインランドリー
などを設置している船もあり、1泊だけで利用するにはもったいないほどの設備を誇っています。