寒いのでエアコンを28度に設定して暖房をON
しばらくしてお部屋が暖まってきたのかエアコンから暖かい風は出てこなくなる。
でも何となく足元が寒い気がして、お部屋の温度計を見ると25度にも達していない。
これはエアコンが故障しているのではなく、理由があって暖房運転を行わなくなっているのです。
お部屋の上部だけが暖まっていませんか?
冷たい空気は下にたまり、暖かい空気は上にたまる
暖かい空気は冷たい空気と比べると軽いので、お部屋の上層部にたまってしまいます。
そして一般的にエアコンはお部屋の上の方に設置しているでしょうから、エアコンが吸い込む空気はお部屋の下の方の冷たい空気ではなく、暖かい空気です。
エアコンは吸い込んだ空気の温度からお部屋の温度を感知し、その吸い込んだ空気が設定温度に達していたら暖房運転を緩めたり停止するという節電機能が働きます。
つまり足元の温度は低いけれども、エアコンが吸い込んだ空気の温度は設定温度に達しているから、エアコンはこれ以上暖かい空気を出す必要はないと判断し、冷たい空気の層にいるお部屋の多くの方は寒いと感じるわけです。
もちろん設定温度をもっと高くすれば暖かい空気は出てきますが、それでもお部屋の中の上層部と下層部との温度差はなかなか縮まりません。
設定温度を上げても暖かくならない! という理由もこれでお分かりいただけると思います。
エアコンの風向は下向きに
エアコンの風向きを夏と同じように平行にしたままでは、暖かい空気がお部屋の上層部にたまりやすくなります。
なので暖房使用時のエアコンの風向きは下向きに!
そして
強風運転に!
冷たい空気がたまりがちなお部屋の下層部に向けて、暖かい空気を出していけば当然足元も暖かくなりやすい。
そして強風運転にすることでお部屋の下層部が遠くまで暖まりやすくなります。
強風運転にした方が電気代が高くなると感じてしまいますが、通常の風量で足元が冷えるからと設定温度を高くする方が電気代も高くなります。
また微風や弱風では設定温度に到達する時間が長くなり、かえって電気代が高くなるので要注意!
風向きですがフラップを真下にまで下げる必要はなく、45度くらいの角度あれば十分。
風向きを下向きに、そして強風運転にすることでお部屋全体が暖まりやすくなって、電気代も安くなる。
エアコンの暖房運転時の必須の事項です!
窓のカーテンを閉めれば暖かくなりやすい
最近は窓が2重サッシや二重窓になっているご家庭も増えており、窓ガラスに起因するお部屋の温度低下をあまり考えないでも良いケースがあります。
2重サッシによって空気の層ができて断熱効果が高くなっていますからね。
ただ既存の住宅や賃貸の場合には2重サッシになっていないことの方がふつうですから、外からの冷気が窓ガラスから伝わることを避けるために、カーテンを閉めて冷気の侵入を防ぐとともに、せっかくのエアコンからの暖かい空気を外に逃がさないようにするのは必須ですね。
我が家が該当するのですが、古いアルミサッシのためか夏はガラスが熱くなり、アルミの部分は火傷するのではないかと思う程に熱くなるし、冬は窓のそばへ行くと冷気が感じられて、どことなく冷たい風が吹いているように感じてしまうほど。
窓は熱気や冷気の出入り口となっていることに加えて、エアコンによって暖められた空気が冷たい窓ガラスに接することで、冷やされてお部屋の下層部にたまるという事態も起きます(コールドドラフト)
やはりカーテンを閉めて、暖かい空気が窓ガラスに触れないようにして空調の効果を最大限に生かすことは必要です。
断熱シートを窓に貼る
せっかく明るい日中なのに、カーテンを閉めて暗くするのは……
そういう場合は窓用の断熱シートを貼りましょう。
一枚貼るだけで外からの冷気が伝わりにくくなるのが実感できますし、冬の大敵である結露対策としても有効です。
夜は断熱シートとカーテンでさらにエアコンの暖房効果がアップ!
意外と侮れない対策ですよ。
お部屋の空気をかき混ぜよう
最初に書いたように、暖かい空気は軽いのでお部屋の上層部にとどまり、冷たい空気は重いから下層部にとどまりやすくなります。
そこで活躍するのがサーキュレーターです。
扇風機とは違って一方向へ遠くまで空気を運ぶ力に優れるサーキュレーターは、お部屋の空気をかき混ぜるのには最適です。
本当はお部屋の上部から下へ向かってサーキュレーターを動かせば、暖かい空気が床面にまで降りてきて足元まで暖かくなるのですが、ふつうはサーキュレーターをお部屋の上部に設置することは難しい。
なのでお部屋の下層部にたまった冷たい空気をサーキュレーターでお部屋の上層部に上げることで、親へ全体の空気を循環させるように使用します。
エアコンから離れた場所から、サーキュレーターをやや上向きにして冷気がエアコンにぶつかるように動かします。
こうして冷気をエアコンが吸って正しいお部屋の温度を感知し、エアコンからは温かい空気が下向きに出される。
これでお部屋の中の空気の循環ができます。
サーキュレーターは梅雨や夏の時期だけ活躍するものではなく、年中うまく活用しましょう。
設定温度を上げすぎるとなかなか暖まらない?
ここまでいろいろな対策を見てきましたが、ご家庭のエアコンの暖房の設定温度は何度になっていますか?
我が家はあまり高く設定しておらず、20~21度程度に設定しています。
実は設定温度をあまりにも高くした場合、外が冷え込むにしたがってエアコンからあまり暖かい空気が出にくくなることがあります。
エアコンは室外機から外の空気を吸って、エアコン本体で暖められてお部屋に吹き出します。
室外機にも熱交換機があり、冬の熱交換器はかなり冷えています。
そこへ外の空気が触れると空気中の水分が凍って付着し霜になります。
すると暖房能力が低下するために、エアコンは暖房能力を弱めてから室外機の熱交換器の霜取りを行います。
ですがエアコンの設定温度を低めにしておけば、この霜取り運転の回数を減らすことができ、結果的にエアコンの暖房運転を弱める回数が減り、お部屋の中の人は意外と快適に過ごすことができます。
また設定温度を下げることができるために、電気代の節約にもつながるという一石二鳥。
ぜひ一度お試しください。
※霜取り運転のためにエアコンの動作が止まっている時に、室外機に水を掛けて強制的に霜を取るという方法もあります。内部に水を掛け入れるのではなく、本体にまんべんなく水を掛けます。お湯でも良いのですが、水よりもお湯の方が凍るのが早いために(ムペンバ効果)できれば常温の水を掛けてください。
室外機の周りをチェック
室外機の周りにいろいろなものを置いたりしていませんか?
室外機は空気を取り入れる大事な機械ですから、周りに物を置いて塞ぐようなことがないように。
最低でも室外機の空気の取入れ口から30cm以内に物を置かないように。
効率的に運転ができるようにしておきましょう。
また積雪の多い地域では、室外機に雪が積もったりしていませんか?
雪で室外機が冷えること以上に、積もった雪によって室外機の周りを覆ってしまうことで、正常な運転ができなくなることが困るのです。
室外機に簡易的な屋根を設けるなどして、室外機周辺に雪が積もって空気の出入りができなくならないようにご注意を。
基本中の基本はフィルター掃除
やはりフィルターが汚れていると空気が取り込めないために効率が悪くなり、電気代が高くなるわりにはあまり暖まらない、そんな状態になってしまいます。
日常的なお手入れとしては、エアコンに設置したまま掃除機でフィルターのホコリを吸い取るのでも良いですが、やはりフィルターを外して水を流しながらブラシなどで落としていく方がよいでしょうね。
水洗い後は必ずよく乾かしてからエアコンに設置してください。
濡れたままだとカビの発生原因になりますよ。