実体験!不動産業者に「買取」で売却する手順とメリットやデメリット

一般的に持ち家を売却するときには不動産業者の仲介によって購入希望者に売却されます。
すぐに購入希望者が見つかればよいのですが、なかなか見つからず週末のたびに内覧に時間が割かれることもあります。
売却資金で新しい不動産を購入する計画を立てている場合には焦ってしまいますし、新しい物件の購入計画を見直さなければならない事態に陥ることも予想されます。
そこで持ち家を不動産業者が直接買い取る「買取」による売却を視野に入れる方も多くなっています。
ここでは筆者が実際に体験した不動産業者の「買取」が終了するまでの手順と、メリットやデメリットについてお話していきます。

仲介による売却の主導権は売主にあります

持ち家(一戸建てやマンション)を売却する方法として最もメジャーなものが「仲介」による売却です。

「売主」であるあなたの代わりに不動産業者が購入希望者である「買主」を探し、文字通り不動産売買における「仲介」役を不動産業者が行うものです。
この方法の最大のメリットは、売却価格はあくまで「売主」が握っているということです。
少しくらいなら安くしてもいいかと思う方もいれば、後々の不動産購入資金として必要だから売却価格を下げるわけにはいかないと考える方もいます。
市場価格との兼ね合いやその時点での価格動向を見極めたうえで、仲介する不動産業者から売却希望価格を下げるほうが良いとアドバイスされることもあります。

いずれの場合も最終的な売却価格の決定権は「売主」が握っているのです。

仲介による売却には仲介手数料が必要

仲介による不動産の売却はおおむね、その時点での適正な価格で売買されます。
もちろん個々の不動産の状態だったり、いくら払ってでもその不動産を購入したいという方がいるなど、事情によっては売却価格が大きく上下することもありますが、基本的には相場によって売却価格は決まってきます。

では不動産業者はどうやって収益を得るかというと、仲介することで「仲介手数料」を「売主」「買主」の双方から得るのです。
仲介手数料は売買価格×3%+60,000円+消費税で算出され、現時点では消費税は8%ですから

売買価格×3.24%+64,800円=仲介手数料

2000万円で不動産を売却した場合の仲介手数料は

2000万円×3.24%+64,800円=712,800円 となります。

持ち家を不動産業者に直接買い取ってもらうメリット

不動産業者に持ち家を直接買い取ってもらう大きなメリットには、売却が完了して売却代金を受け取るまでの時間が圧倒的に短いことが挙げられます。
買取専門の業者に買い取ってもらう場合には、2~3日で売却代金を受け取ることも可能です。

仲介の場合でもすぐに購入希望者が現れれば比較的早く売却代金を受け取ることもできますが、購入希望者のローン審査の通過までに時間がかかるなど、とてもではないですが買取ほどの短期間で売却代金を受け取ることは難しいです。
もちろん購入希望者がキャッシュで購入するなら早くはなりますが…

とにかく急いで持ち家を売却したい場合には、この不動産業者による「買取」は威力を発揮します。

購入希望者の内覧がない

私が不動産業者による「買取」を選んだ理由には、購入希望者の内覧がうっとうしいというのがありました。
不動産業者の場合はわりとサラッと見る程度なのに対して、一般の購入希望者の場合はかなり隅々まで見ていきますよね。
高いお金を支払って購入するのですから、隅々までチェックするのって当然ですからね。
でも購入希望者がなかなか現れず、週末のたびに“大掃除”をして購入希望予備軍の方を迎え入れるのって本当に疲れるのです。
筆者が「仲介」ではなく「買取」を選んだ最大の要因だったかもしれません。

買い手が現れにくい物件

中古物件を購入する人の大半がリフォームすることを念頭に置いています。
だから
「建物自体がしっかりしていれば、少々使い方が悪くて内装が傷んでいても大丈夫ですよ」
と不動産業者は口にします。

でもそれって業者というかプロ視線での話です。

一般の方が実際に内覧したときに水回りが汚いとか、レンジフード周辺が油まみれだったとか、トイレが臭かったとか、そういったネガティブな印象を持った場合に購入しようと思いますか?
もちろんリフォームすることは念頭に置いているし、ネガティブな印象を持った部分はリフォームすれば改善します。
でも人って“うわっ・・・”って思ってしまったものをあえて購入しようとは思いません。
とくに“家”は超高価な買い物ですからなおさらです。

つまり一般の方ならネガティブに捉えてしまう内装の傷み具合があったとしても、不動産業者のプロ視線ならば建物さえしっかりしていれば「買取」してもらえるわけです。

もちろん傷み具合が大したことはなく、ハウスクリーニング程度で十分な場合はこれを行って仲介で売りに出すほうが売却価格の面では有利となります。

隣近所に家を売りに出していることがバレにくい

近隣トラブルって多いですよね。
トラブルまではいっていなくても、隣近所とうまく折り合いがつかないために転居を考える方も多いと思います。
でも持ち家を仲介で売却するとなると、その隣近所にまで売却することが伝わってしまいますよね。

不動産業者のチラシで売却希望価格まで知れ渡ってしまう・・・

ところが買取の場合には物件の売却までの時間が短いこととともに、直接買い取るので「売物件」として知れ渡るのは転居した後になります。
ご近所に知られずにこっそり売却して転居できる、これも意外と大きなメリットかもしれません。

売却した後に不備な部分の補償を求められない

内覧の時には分からなかったけど、いざ住みだしたら雨漏りしてきた。
このように住みだしてから分かったキズ(瑕疵)については、個人から購入した物件の場合最大1年間は売主が補償することになっています。(瑕疵担保責任)
民法の規定で1年間となっていますが、中古物件の売買の場合には2~3カ月程度の期間とすることが一般的で契約書にもその旨が記載されます。
ところが不動産業者というプロに買い取ってもらう場合、売主は瑕疵担保責任を負いません。
だってプロが買取するのですから、物件のキズ(瑕疵)くらいは見抜いて当然という意味合いでしょうか。

「買取」の最大のデメリットは買取価格の安さ

「買取」における最大のデメリット、それは売却価格がかなり低くなるということです。

不動産業者が買い取った物件はリフォームしてから売り出されます。
さらに広告宣伝費なども必要になります。
そして当然ですが不動産業者の利益も必要です。
でも販売価格は周辺の相場に合わせないと売れません。
逆に言えば周辺の売却物件の相場からこれらの費用などを引いた額が買取価格になるのです。

その買取価格ですが相場の6~7割程度。
筆者は多くの業者に買取を打診して買い取り額を提示してもらいましたが、大手不動産業者の査定額の57.5%~72%と思ったより幅がありました。

仲介手数料の問題

マンションや一戸建てを不動産業者に買い取ってもらう場合、仲介手数料はかからないと記載されているサイトが多いですよね。
“直接”買い取ってもらえれば確かに仲介手数料は必要ありません。
しかし多くの不動産業者は“当社で直接買い取ります”と掲げながらも、別の不動産業者を連れてこようとします。

ある大手の不動産業者は直接買い取りますと言い、提示額が2500万円だったとします。
しかしその大手の不動産業者は別の不動産業者も一緒に連れてきて、そちらの業者は2600万円で買い取ると提示してきます。
でも大手の不動産業者は別の不動産業者との間に入って“仲介”したことで、仲介手数料が発生してしまうのです。
2600万円の売却価格に対する仲介手数料は907,200円。
売却価格は100万円もの差があるとしても、仲介手数料がかかるために10万円弱の差になってしまうことも。
筆者の場合も不動産業者に5社ほど買取の打診をして、実際に家にやってきた不動産業者は13社に上りましたから。

持ち家を買い取ってもらう手順

・まずは買取を希望する不動産の適正な査定額を知ることが必要です。

筆者は大手の住友不動産販売株式会社で査定してもらいました。的確な査定額を算出してくれましたよ。

・査定額を基に70%程度の買取希望額を設定します。

・買取を行っている不動産業者に電話やメールフォームなどで連絡する。
早ければ当日中にレスポンスがあります。
その際に残置物(転居に際して持ち出さない品物)の引き取りは無償なのかなど、必要なことを確認しておきます。

・買取額査定のために不動産業者がやってくる日時を調整する。

・不動産業者が査定のために屋内外をチェックする。
15~30分程度かかります。

・数日の間に買い取り額の提示が電話やメールなどであります。
買取専門業者の場合はその場で買い取り額の提示をしてきます。

筆者の場合は大手の不動産業者に買い取ってもらったのですが
3/8 買取額査定のために不動産業者がきた。
3/10 買取額の提示を受けた。(査定額の72%)
3/13 提示された買い取り額で売却することを伝えた。
3/21 売買契約で手付金として100万円受領、印紙代として1万円を支払った。
4/18 家(カギ)の引き渡しと売却代金を振り込みで受領。

こんな感じでした。

買取専門業者の場合は1週間ほどで売却代金を受け取ることができますが、買い取り金額は低くなる傾向にあります。

「仲介」で売却しますか「買取」で売却しますか

・とにかく早く現金化したい場合。
・できるだけ早く売却したい場合。
・周囲に知られることなく売却したい場合。
・傷みが激しくすぐに買い手が付きにくいと思われる場合。
・その他の事情で買い手が付かない場合。(事故物件など)

これらのケースの場合は「買取」のほうが良いかもしれません。
しかしあくまで「買取」による売却は最終的な手段だと考えておくべきです。
まずは一般的な「仲介」によって売り出してみて、どうしても売却が進まない時に「買取」を考えるほうが良いですよ。
筆者も数百万円の差はやっぱり痛かったと後悔しましたから。