真夏を過ぎて少し過ごしやす気候に近付くころからよく目にするようになるスズメバチ。
実際には7月頃から数が増え始め、人を襲うなど狂暴化して被害のピークとなるのは7月から10月頃です。
また家の周りで頻繁にスズメバチが飛ぶようになり、ひょっとすると巣が近くにあるのではないかと駆除を考えるようになるのも、通常は夏以降ですね。
でも最初に書いた通り、夏以降はスズメバチの数が急増するので素人が駆除するの大変どころか危険が伴います。
ここでは季節ごとのスズメバチと巣の駆除方法を見ていきます。
でもくれぐれも無理をしないように。
春のスズメバチ駆除が最も効果的
4月頃に1匹で飛んでいるスズメバチを見たことはありませんか?
スズメバチの中で越冬するのは女王バチだけ。
女王バチが冬を越して春に目覚めると、エサを食べて体力を蓄えて巣作りを始めます。
小さな巣が出来上がると産卵して働きバチが誕生し、その働きバチたちがさらに巣を大きくしていく。
つまり春先はスズメバチの数が圧倒的に少ないため、駆除するには絶好の季節なのです。
また女王バチを駆除できれば働きバチが誕生することもなく、それ以上のスズメバチの増加はありません。
スズメバチの駆除は春に目を覚ました女王バチをやっつける!
これが一番効果的なのです。
1匹だけならば噴射距離が長いハチ駆除用のスプレーを用いれば、比較的安全に駆除できます。
ただし1匹であってもスズメバチは狂暴ですから、離れた場所からスプレーするようにしましょう。
スプレーするのが怖いという方には、スズメバチをおびき寄せて捕まえるトラップタイプが良いかもしれません。
好きそうな甘いエサが入っているトラップに入り込み、スズメバチは二度と出られなくなります。
巣を作らせないようにするために
スズメバチが巣作りを開始するのは4月頃から。
その前に巣を作りそうな場所に先制攻撃をしておきます。
スズメバチの巣は雨風が除けられる場所や、天敵に襲われにくい場所に作ります。
軒下やベランダ、庭の木や枝(木の空洞は特に要注意)、植え込みや植垣、戸袋の中、天井裏など。
ハチの巣を作らせない予防効果のあるスプレーを巣が作られるかもしれない場所にスプレーしておく、市販の木酢液を1:1の割合で水で薄めて1.5~2Lのペットボトルの上半分を切り取ったものに入れて置いておくなどします。
また通気口などには網をかけるなどして、スズメバチが侵入できないようにしておくことも大事です。
使わなくなったジョーロや洗面器などを屋外に放置していると、その中に巣を作られることもあります。またエアコンの室外機の内部に巣が作られることも。
屋外に容器状の物を放置している場合は片付け、春先にはエアコンを使わないご家庭ではカバー(ゴミ袋で十分です)をしてハチが内部に入れないようにしておきましょう。
6月以降になると働きバチが増加する
女王バチが巣を作りその中で産卵するわけですが、卵からスズメバチの成虫になるまでには約1か月。
春先に冬眠から目を覚まし活動を始めた女王バチから生まれた最初の働きバチたちは、6月頃になると活動を始めます。
その後も女王バチは産卵を続けるので、6月以降はどんどん働きバチの数も増え、それに伴って巣もどんどん大きくなっていきます。
ただしスズメバチは雨降りの日はあまり飛び回ることがありません。
羽が雨に濡れることで飛行能力が著しく低下するために、活発には飛び回らないのです。
雨が続く梅雨のシーズンには、あまりスズメバチを見かけませんよね。
もしもご自分で駆除するのならば、雨降りの日に噴射距離が長いハチ駆除用のスプレーを使ってやっつけることもできます。
- 黒い服は着ないこと
- 香水などを用いない
- ハチ駆除用の防護服を着るほうが絶対によい(あまりにも安いものは危険です)
- 噴射距離が長いハチ駆除用のスプレーは2本以上は用意
- 手袋も必須
そして
- 夕方から夜間にかけて駆除を実行すること
- できれば雨降りの日が良い
スズメバチは日中に行動する生き物のため夕方以降はややおとなしくなり、また大半のハチが巣の中にいるので駆除するには夕方以降が良い。
また雨降りの日は羽が濡れることで行動力が落ちるので、夕方から夜間で雨降りの日の駆除が最適なのです。
スズメバチの巣の穴の位置を事前に確認しておき、その穴めがけてスプレーしてください。
梅雨明け以降秋が深まるまでは危険
梅雨が明けてあまり雨が降らない、そしてカンカン照りの日が続きだすとスズメバチは活発に飛び回るようになります。
そうは言っても自宅周辺に巣が無ければ、それほど頻繁にスズメバチの姿を見ることはないですよね。
- ベランダで洗濯物を干していると頻繁に見かける
- 庭に常に数匹のスズメバチが飛んでいる
- お部屋の中でスズメバチを見かけることがある
自宅の周辺、またはあなたのお宅のどこかにスズメバチが巣を作って暮らしている可能性が高いです。
どこに巣が作られているのかが分かれば、怖いですけども対処のしようがあるかもですが、どこに巣を作られているのかが分からない場合は本当に困りますよね。
そこで試していただきたいのが、エサタイプの駆除剤です。
これは薬剤入りのエサを巣に持ち帰り、巣の他のハチに分け与えるなどすることで全滅を試みるものです。
ハチの巣がありそうな場所の周囲に複数個を設置して、とにかく薬剤入りのエサに近付いてもらえるかがポイント。
スズメバチのエサとなりそうなものが周りにあると、なかなか薬剤入りのエサに近付いてくれず効果が出ないことも。
スズメバチは昆虫などを捕まえるのですが、例えば桃など果物が腐ったものがあるとその臭いに引き付けられてエサタイプの駆除剤には見向きもしないことも。
効果がある場合には徐々にその数を減らしていくわけですが、少し離れた場所の別のスズメバチの群れまでもが寄ってくることがあり、設置前よりスズメバチが増えたように感じることもあります。
やっぱり安心、ハチ駆除の専門業者に任せる
ここまでスズメバチの駆除方法を書いてきましたが、スズメバチの駆除は正直なところ危険を伴います。
もちろん果敢に個人で駆除される方もおられますが、正直言ってトラップタイプかエサタイプの駆除剤を用いるのが関の山でしょう。
噴射距離が長いハチ駆除用のスプレーは噴射距離がかなり長いしスズメバチの殺傷能力も高いのですが、もしもスズメバチが怒って襲ってきたら……
スズメバチの姿を見ていると怖くなって、筆者は結局業者に駆除を依頼しました。
エサタイプの駆除剤を2箱購入してすべてを設置してみたのですが、飛び回るスズメバチの数が一向に減らなかったことと、巣の場所を見つけられなかったことが原因です。
自治体によっては条件に当てはまった場合に限り自治体でスズメバチの駆除、または駆除費用の助成を行っていることもありますが、妻の実家のある自治体ではこのような制度はありませんでした……
そこで筆者は【ハチ110番】に連絡し、1時間ほどで提携業者がやってきました。
巣もわりと早く発見していました。
庭に置いてある倉庫の裏側で、塀に接している狭い場所でした。
巣の大きさは高さが60cmほど、でかいなあと思ったのですが業者の方曰くまだ小さいほうとのこと。
梅雨明けすぐだったから、まだ巣を大きくしている途中だったのでしょう。
筆者のケースでは撤去費用は2万円ほどかかりましたが、怖い思いをすることを思えば安いかなと思いました。
頑張って自分でスズメバチの駆除にチャレンジしてみるのも良いと思います。
でも正直言って怖いから筆者はトラップタイプかエサタイプの駆除剤を使うので精一杯なのですが、駆除までに時間がかかるのも難点です。
お金で安心を買うつもりで、業者に依頼するほうが良いのかなと筆者は今でも思っています。