警報・注意報・避難指示・避難勧告・警戒レベルなど防災情報について

日本は国土のおよそ7割が山地であり、大陸の川とは違って勾配がきつい特徴があります。
また台風の進路上に国土が位置しており、台風の被害から逃れることもできません。
台風だけではなく、降雨量は世界平均の倍という値を示し、降雪量もアラスカやグリーンランドより北海道や上信越地方の方がはるかに多くなっています。データ出典意外と知らない日本の国土より

このように災害に合いやすい国土のため気象庁などが各種の情報を出しているのですが、その内容を正しく理解している方は少ないように思います。
そこで気象庁などが出す情報を分かりやすく説明していきますので、防災や減災にお役立ていただければと思います。

防災気象情報

気象庁では災害の防止や軽減のために防災気象情報を発表しています。
各市町村での過去の災害を統計で調査したうえで、重大な災害の発生するおそれのある値を警報の基準に、災害の発生するおそれのある値を注意報の基準としています。
同じ雨・雪・風であっても、市町村によって警報や注意報が出される基準が異なっています。
たとえば和歌山県串本町の大雨警報の表面雨量指数基準は27ですが、岡山県岡山市は14。
大雪警報は岡山県岡山市は24時間降雪の深さが30cmですが、新潟県津南町では12時間降雪の深さが60cmとなっています。

特別警報

特別警報が出された地域では、これまでに誰も経験した事がないような重大な危険が差し迫った異常な状況を表します。
ここ数十年間は災害に合っていない地域であっても、かなり危険が差し迫っていると認識してください。

また避難に関しては、特別警報が出される前に完了しておくことが必要です。

気象の特別警報は
・大雨(土砂災害、浸水害)
・暴風
・暴風雪
・大雪
・波浪
・高潮
に対して発令されます。

なお気象以外の特別警報として
・大津波警報
・噴火情報(居住地域)(レベル5・避難 レベル4・避難準備または居住地域厳重警戒)
・緊急地震速報(震度6弱以上)
があります。

警報

気象の警報には以下の種類があります。

・大雨(土砂災害、浸水害)
・洪水
・暴風
・暴風雪
・大雪
・波浪
・高潮

先にも記しましたが、警報は重大な災害の発生するおそれのある値に達した場合に発令されるもので、警報が出るということはいつ災害が起こってもおかしくないということを意味します。

警報が発令されるタイミングですが、3~6時間先に重大な災害が発生するような事象が予想される場合です。
ただし短時間の強い雨による大雨や洪水の警報は、2~3時間前に発令されます。
ですので警報が発令された時には大した異常気象が起こっていなくても、今後発生するものとして準備を怠らないことが必要なのです。

注意報

気象の注意報には次のようなものがあります。

大雨・洪水・強風・風雪・大雪・波浪・高潮・雷・融雪・濃霧・乾燥・なだれ・低温・霜・着氷・着雪

注意報が発令されるタイミングですが、6時間以上先に災害が発生するような事象が予想される場合です。

また6時間以上先に警報級の出現が予想されているときには
警報に切り替える可能性が高い注意報」が発令され、さらに警報に切り替わる可能性を「高」「中」で表し発表しています。

土砂災害警戒情報

土砂災害警戒情報は、大雨警報(土砂災害)が発令されている状況下で、命に危険を及ぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状態になった時に発令されます。
そして土砂災害警戒情報が発令された場合には、市区町村はただちに避難勧告等を発令することになっています。

土砂災害警戒情報は、過去の重大な土砂災害の発生時に匹敵する極めて危険な状況が2時間以内に起こる、命に危険が及ぶような土砂災害が発生することを前提にして発令されます。

土砂災害警戒情報が発令されて、市区町村から避難勧告が出された時点ですぐに避難を開始してください。
また土砂災害警戒判定メッシュ情報を活用することも重要ですし、日ごろからお住まいの場所の危険度を自治体が発表しているハザードマップで確認しておくことも大切です。

避難に関する情報

大雨などの際に市区町村など自治体から発表される避難に関する情報ですが、正しくその意味を理解していますか?
その名前から正しく意味が理解されずに痛ましい被災も起こっています。

避難準備情報・高齢者等避難開始

以前は避難準備情報という名称でしたが、これでは差し迫った危険はなく準備段階だと認識されてしまい、その結果避難が遅れて被災してしまうケースがありました。
そこで現在は避難準備情報・高齢者等避難開始とい名称に変更しています。
高齢や障害、乳幼児のいる家庭など、避難に時間が必要な方は直ちに避難を開始します。
それ以外の方は避難の準備を整えておきます。

避難勧告

“勧告”という名称から“避難した方が良いですよ”と言われている程度にとらえがちですが、避難勧告が出されるということはすでに
「災害による被害が予想され、人的被害が発生する可能性が高まった場合」
を意味しており、速やかに避難場所への避難を開始しなければなりません。

また避難場所へ行くことが危険な場合には、自宅内で安全だと思われる場所へ避難しなければなりません。
避難勧告が出されている=被害発生の可能性が高まったということを認識しておきましょう。

避難指示(緊急)

避難指示(緊急)が出てから非難するのは危険な場合が多く避難指示(緊急)が発令されたときには避難を終えているのが原則です。
まだ避難していない場合、外に出て避難場所への避難が安全にできそうならば、直ちに避難場所へ向かってください。
ただ外に出るほうが危険性が高い場合も多いので、この場合には自宅内で安全と思われる場所へ避難しましょう。

自宅内の避難では垂直避難と言ってできるだけ上層階へ避難したり、土砂崩れの危険性がある場合は山側を避けるなど、少しでも安全だと思われる場所へ避難しましょう。
日頃から自宅内避難のシミュレーションを行っておけば、いざという時も冷静に行動できます。

防災気象情報と避難情報の関係

ここでは大雨の場合の気象情報と避難情報の関係について見てみます。
この表は2019年5月29日より運用されている警戒レベル気象情報避難情報との関係を表したものです。

・大雨特別警報
・氾濫発生情報
災害発生情報
命を守るための最善の行動
すでに災害が発生!
警戒レベル5
・土砂災害警戒情報
・記録的短時間大雨情報

・高潮特別警報
・高潮警報
・氾濫危険情報
・危険度分布(非常に危険、うす紫)
避難指示(緊急)
避難勧告
全員避難
警戒レベル4
・大雨警報
・洪水警報
・高潮注意報
(高潮警報に切り替える可能性が高い旨に言及されているもの)
・氾濫警戒情報
・危険度分布(警戒、赤)
避難準備・
高齢者等避難開始
(高齢者は速やかに避難)
警戒レベル3
・大雨注意報
・洪水注意報
・高潮注意報
(高潮警報に切り替える可能性に言及されていないもの)
・氾濫注意情報
・危険度分布(注意、黄)
(高齢者等は避難の準備) 警戒レベル2
・早期注意情報(警報級の可能性)
大雨に関して明日までの期間に[高]又は[中]が
予想されている場合
警戒レベル1

記録的短時間大雨情報

記録的短時間大雨情報とは、その地方における1時間雨量の歴代1・2位を基準としています。
この基準に達するような雨量を観測(雨量計による観測)または解析(気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせ分析した解析雨量)したときに発令されます。
まれにしか観測されない雨量を観測または解析した時に発令されるものですから、避難所への避難はかえって危険な場合が多いです。
自宅での垂直避難などより安全だと思われる避難を行ってください。

その他の気象情報

他には次のような気象情報が発令されます。

異常天候早期警戒情報

異常天候早期警戒情報気温降雪量を対象に発令されます。
7日間の平均気温が「かなり高い」または「かなり低い」となる確率が30%以上、または7日間の降雪量が「かなり多い」となる確率が30%以上の時に発令されます。
発表は月曜日に行われます。(祝祭日の場合は翌日に発表)

高温注意情報

各都道府県単位に発表されるもので、当日または翌日の最高気温が35度以上となる場合に熱中症予防として発令されます。

竜巻注意情報

竜巻注意情報は雷注意報を補足する情報で、文字通り竜巻やダウンバーストに対する警戒を呼び掛けるものです。
発令後約1時間を有効期間としています。

まとめ

いかがでしたか?
頻繁に見聞きする気象情報ですが、あまりその内容まで周知されているとはいえませんよね。
自身や家族の安全を守るためにも、気象庁が発表するこれらの情報をもっと有効に活用できるようになりましょう。