ここ数年は観測史上最高の雨量とか、50年に一度の大雨なんて言葉が毎年のように聞かれるほど、異常気象がまるで普通のことのように起こっています。
台風も日本のすぐそばで発生したり、日本に近づくにつれて勢力を増す台風も増えていますし。
こうなってくると心配になってくるのが、住まわれているご自宅に被害が及ばないかどうかということではないでしょうか。
例えば窓などのガラスが割れないように、もしも割れたとしても被害を最小限に食い止めることができれば、それ以上の建物への被害を食い止めることができます。窓ガラスが割れたせいで突風が部屋の中に到達し、その突風が天井めがけて吹き抜けていくと、屋根が飛ばされる被害に遭うこともあります。
こうなるとその住居に住み続けるのは難しくなるかもしれません。
暴風雨から家を守るには、まずは窓ガラスが割れないような対策が必要になってくるのです。
窓ガラスの破損は飛来物が原因
台風による被害と言えば大雨による洪水や土砂崩れ、気圧の低下と満潮が重なることによって起こる高潮、そして暴風によって起こる建造物などへの被害ですね。
その中で暴風による被害ですが、暴風に耐えられなくなって建造物が倒れたり飛ばされたりする直接の被害と、暴風による飛来物の接触によって被害を受ける2種類があります。
今の住戸に使われている窓ガラスは、各地域の基準風速と建造物の高さによって使用されるガラスが決まっており、強風に耐えられなくなって窓ガラスが割れる被害は起こりにくくなっています。
基準風速は東京や大阪では34m/s、鹿児島・銚子・高知といった太平洋沿岸では38m/s、台風が勢力を保ったまま接近しやすい沖縄では46m/s。
これに建物の高さなどを考慮して、どの程度の圧力にまで耐えられる窓ガラスを使わなければいけないのかが決まっています。
とはいっても竜巻などによる突風は基準風速をはるかに超えるために、風によってガラスは割れてしまいますが。
また基準風速以下であっても風に飛ばされた飛来物、小石や傘のほか植木鉢などがガラスに当たれば簡単に割れてしまいます。
つまり台風など暴風による窓ガラスの被害を抑えるには、いかに飛来物に対処するかが大切なのです。
窓に木の板を打ち付ける
昔の漫画やアニメなどではよく登場した、台風が近づいてくる前に窓枠に釘で木の板を打ち付けるシーン。
木の板で保護するから飛来物が当たってもガラスが割れることはなく、実は理にかなった暴風雨から家を守る手段でした。
ところが最近の住居の窓枠は木で出来ていることは少なく、アルミや鉄などの金属でできていることが多く、木の板を打ち付けることは難しい。
そこで木の板をガムテープなどで張り付けて保護すれば、ガラスは割れることもなく保護されます。
おそらく今でも木の板で窓ガラスを保護するのがもっとも効果的だとは思いますが、木の板って重たいし、用意して保管しておくのが大変ですよね。
養生テープを米の形に張ってガラスを保護する
養生テープは元々建設現場や引っ越し作業の現場などで、傷が付かないように設置するカバーなどを張り付けたりマスキングなどに用いるもので、はがしやすくて、はがした後もテープの跡が残らない、そしてはがし忘れがないようにグリーン系など目立つ色をしたテープのこと。
窓ガラスの保護によく用いられるのは、暴風雨が収まった後にテープをはがす際にきれいに取れるから。
ガムテープだと糊が残ったり、切れたガムテープがはがしづらいといったことがあるためです。
では養生テープなどを窓ガラスに米の字に張るだけで、窓ガラスの備えはOKなのでしょうか。
残念ながら答えはNOです。
テープを張っている部分に飛来物が当たった場合でも、近年の大型化した台風には勝つことができず、ガラスにひびが入ったり割れることが考えられます。
もちろんテープを張っていない場合よりは少しは守ることができますが、割れたガラスの飛散を完全に防げるものでもありません。
当然ですがテープを張っていない箇所に飛来物が当たれば、ガラスは簡単に割れてしまいます。
カーテンを閉めたり、段ボール紙を張り付けたり
時間の都合で養生テープを張ることしかできなかった場合、ガラスが割れて室内に飛散しないように、必ずカーテンは閉めておいてください。
これだけで割れたガラスが室内に飛び散り、ケガをする確率が下がります。
また割れたガラスの飛散を防ぎたいときには、室内側から段ボール紙を張るのがおすすめ。
最近は通販を利用する方が多いので、ご家庭に段ボール箱があるというのも普通なことです。
段ボール箱を潰して窓ガラスに養生テープで張り付ければ、割れたガラスの飛散を防ぐことができます。
段ボール紙を窓の外側に張ればガラスの破損防止になるのですが、雨に濡れるとほぼ役に立たなくなるのであまりおすすめはしません
大きな発泡スチロールの板があれば、窓の外側に張り付けて破損防止に役立つのですが、あまりご家庭に窓の全面を覆いかぶせることができる発泡スチロールの板なんて無いですよね。
防犯フィルムや飛散防止フィルムを常に張っておく
防犯フィルムや飛散防止フィルムは空き巣などが窓を割って室内へ侵入することを防ぐ防犯グッズですが、このフィルムを張っておけば割れたガラスの飛散を防ぐことができます。
ただし傘や物干竿など先がとがったものの直撃を受けると、防犯フィルムや飛散防止フィルムでも防ぎきれない可能性がある点にはご注意を。
プラダン・プラベニヤで保護する
窓のメーカーや工務店などに相談すると決まって、雨戸やシャッターを付けたり、二重のガラスで間にフィルムが入っていて強度の高いガラスへの取り換えをすすめられます。
お金と時間があれば良いのですが、筆者のような家庭では時間はあっても出せるお金が無い・・・
そこでおすすめしたいアイテムがプラダンとかプラベニヤと呼ばれる板です。
段ボール(ダンボール)とは平らな紙と波状の紙を張り合わせたものですが、同じ構造のプラスチック製の板をプラダンとかプラベニヤと呼んでいます。
ホームセンターなどへ行けば様々な大きさと厚みの物が売られており、木の板と比べると軽いところもポイントの一つ。
またダンボール構造ですので、ふつうのプラスチックの板より格段に強度も上がっています。
プラダン・プラベニヤを外側の窓枠などにテープなどで張り付ければ、窓ガラスの破損にかなり役立ちます。
ただ木の板と違って重量のあるものが飛んできた場合にはガラスが割れる可能性があるので、養生テープまたは防犯フィルム・飛散防止フィルムとプラダン・プラベニヤの併用が最も暴風から窓ガラスを手段と言えるでしょう。
窓ガラスが割れるだけでは済まない!
これまで見たきたように、養生テープを貼るだけでは今の大型化した台風から窓ガラスを守ることはできません。
ではなぜ窓ガラスをそれほどまでに守る必要性があるのかを見ていきましょう。
割れた窓ガラスによるケガ
暴風時に窓ガラスが割れれば、その破片は室内側に飛んできます。
また窓ガラスが割れることで、室内には想像以上にきつい風が吹き込むことに。
そうすると割れたガラスの破片は部屋の奥まった所にまで飛んでくることが容易に予想できます。
たまたま窓の近くでくつろいでいたら窓が割れて、破片が直撃した・・・
なのでせめて割れたガラスが室内に飛散しないように、窓ガラスの内側から段ボール箱をつぶして貼るくらいはしておきたいものです。
家が破壊される?
窓ガラスが割れて突風が吹きこんできたとなれば、その風はどこかへ抜けようと家のどこかに圧力(風圧)をかけます。
壁と比べると天井はかなり弱いので、天井に風圧がかかり破壊してさらに屋根に圧力(風圧)がかかって、屋根を吹き飛ばそうとします。
竜巻後の被害映像を見ると、窓が破壊されてさらに屋根が無くなっている、そんな映像を見たことがあると思います。
窓が割れて突風が屋内に突き刺さると屋根を吹き飛ばして、家が破壊される・・・
ここまでは一戸建てでの話ですが、マンションの場合はさすがに天井から風が抜けて屋根が飛ばされることはありません。
ただし、ガラスを突き破った強風による風圧が別の窓ガラスにかかってさらに破壊することがあります。
こうなると部屋の中を暴風が通り抜けるようになり、屋外とまったくかわらない危険な状態にさらされることに。
なので養生テープを貼るだけでは大型台風の暴風雨対策にはならない、というのがお分かりいただけると思います。
沖縄でメジャーな飛散防止ネット
台風が近づいてくる映像では沖縄の様子が映し出されることが多いのですが、お店や一般の民家でも飛散防止ネットを使っているのを見たことはありませんか?
窓ガラスから少し離してネットを張ることで、窓ガラスに飛来物が当たらなくなりますから、窓ガラスを守るという点ではかなり優れた防護方法です。
相当大きなネットを用意して、家全体を覆ってしまうことで屋根が吹き飛ばされないようにする方もおられるとか。
マンションでもベランダの屋根と手摺りをネットで張れば、窓ガラスを守ることができます。
またネットですから外の明かりを全て遮断はしませんから、家の中が真っ暗になることもないのもおすすめのポイント。
ネットならば使わない時はたたんで小さくしておけるので、どこに収納しようかと悩むこともありませんしね。
防風ネットや飛散防止ネットで調べるといろいろな商品が見つかります。
またゴルフネットを利用する方もおられるようです。
なおネットの目の大きさですが、あまり小さなものは避けてください。
目が小さすぎるとネット自体が風を受けて飛来物からガラスを守れなくなります。
防風ネットならば4mm以上の目の物を選んでください。