発売後すぐのマンガが無料で読めることから人気を博した「漫画村」(2018年閉鎖)ですが、実態は作品を違法にコピーをしてサーバーへアップロードして誰でも自由に閲覧できる状態にしていたということで、運営者などが著作権法違反などで逮捕されています。
作者に無断でアップロードして自由に閲覧できる状態にして運営者は広告収入などを得ていたわけですが、作者側は本来得られるはずだった収入が得られなくなるという大きな損害を被っていたわけです。
しかし「漫画村」をはじめいわゆる海賊版サイトの怖さはこれだけでは無く、何も知らずに閲覧していた利用者側にもさまざまな悪影響を与えています。
アクセスするだけで・・・
海賊版サイトの主な収入は広告です。
アクセス数に応じて支払われるインプレッション課金型広告を採用していることが多く、サイト運営者はアクセス数をとにかく多くするために発売後すぐのマンガを違法アップロードするわけです。新作が発売後すぐに無料で読めれば利用者は増えますからね。
ところが実際にはそれだけでは済まず、閲覧している利用者のスマホやパソコンに仕掛けを施します。
サイトにアクセスするだけでプログラムを勝手にインストールし、あなたがスマホやパソコンを使用していないときに駆動するプログラムです。
例えばあなたがスマホやパソコンを使用していないときにだけプログラムが起動し、勝手にサイトへアクセスする。こうすることでサイト側は広告収入が増えますからね。
またあなたがスマホやパソコンを使用していないときに暗号資産(仮想通貨)のマイニングを行うプログラムをインストールされているケースもあります。
スマホのバッテリーがやけに減るのが早くなった
スマホの通信量が増加している
その原因は海賊版サイトを閲覧したために、知らないうちにプログラムをインストールされたからかもしれませんよ。
ウイルス(マルウェア)に感染する危険性
先ほど書きましたプログラムもいわゆるマルウエアですが、もっと怖いマルウエアに感染させられることも現実に起きています。
例えばスマホやパソコン内に保存しているファイルを勝手に書き換えられていたり削除されたり、また外部流出させられることもまったく珍しいことではありません。
多くの方がIDやパスワードをパソコンやスマホのブラウザやアプリに保存していますが、マルウエアを取り込んでしまったことによりIDやパスワードの流出、ネット通販をよく利用する人だと預金口座やクレジットカードの情報が盗まれるなど、海賊版サイトで漫画・音楽・動画などをダウンロードすることで被害に遭うケースかかなり多くなっているのです。
執拗なメールやアダルトサイト
海賊版サイトにはほぼ必ずあるといって良い、アダルトサイトや出会い系サイトへのリンク。
それも分からないように配置されてあったり、クリックするとアダルトサイトがいくつも開くなどしますよね。
中にはいきなり会員登録完了したので入会金や使用料を払えと、あなたのIPアドレスなどを表示して脅してくるケースも多々あります。
出会い系サイトからは執拗にメールが送られてきたりします。
それも聞いたことがないようなかなり怪しい出会い系サイトからのメールがほとんど。
こういった被害に遭った方は多いのではないでしょうか。
スマホにもマルウエアによる被害が拡大
パソコンは以前からウイルスやワーム、トロイの木馬といったマルウエアによる被害がよく知られていますし、ほとんどの方がウィルス対策ソフトなどを導入しています。
ところがスマホに関してはあまりセキュリティソフトの導入って進んでいないように見受けられますし、何となくスマホは安全なものという意識を持っている方が多いような気がします。
最近はスマホをターゲットにしたマルウエアがかなり増えており、海賊版サイトで漫画や動画をダウンロードしたらスマホの画面が真っ暗になって表示されなくなったというような被害が多くなっています。
パソコンよりスマホのほうがマルウエアに感染する危険性は低い、なんて考えは捨ててください。
スマホに生活上必要なアプリをたくさん入れている方が多いと思いますが、それらのすべてがマルウエアによって使用できなくなるリスクがあるのですよ。
違法にアップロードされたものをダウンロードするのは違法
これまでは違法にアップロードされた音楽と映像(動画)をダウンロードする行為は違法とされてきましたが、漫画・雑誌・新聞・コンピュータプログラム・論文などあらゆる著作物について、違法にアップロードされたものと知りながらダウンロードすることは違法となります。
2021年1月1日から施行される改正著作権法によるもので、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金またはその両方が課せられることになります。
マンガの場合、1話のうち半分ほどをダウンロードすれば違法となるが、数コマだけをコピーするといった場合は違法とはなりません。4コマ漫画の一コマをダウンロードは違法です。
新聞の場合は数行ならば良いが、紙面の半分程度になると違法となります。
スクリーンショットで残したものにたまたま違法となる画像が写り込んでいた程度ならば良いが、違法だと認識して何枚もスクリーンショットで残すのは違法。
また低画質のものは規制からは外れるようです。
海賊版サイトへ誘導するサイトやアプリも違法
「漫画村」は閉鎖されましたが、まだまだマンガを違法にアップロードした海賊版サイトは多数残っているようです。
マンガだけではなく音楽や動画などの海賊版サイトも多数あります。
これらの海賊版サイトへ誘導するサイトやアプリ(リーチサイト・リーチアプリ)は2020年10月1日からは違法となります。
手っ取り早く海賊版サイトを調べるためにリーチサイトを利用してきた人も多いと思いますが、違法となるので閉鎖されるはずです。
ストリーミング型は規制対象外
海賊版サイトの多くはダウンロード型と言って、スマホやパソコンにファイルをダウンロードしてから閲覧するタイプです。
ここまで説明してきた違法となるのもこのタイプからのことです。
ところが閉鎖された「漫画村」のようなタイプはストリーミング型と呼ばれるもので、受信しながら閲覧するタイプであり今回の規制からは外れています。
ただしウイルス感染や個人情報の流出に関する危険性は高いですから、いくら違法性は問われないからと言ってむやみに利用するのは慎むべきです。
実際に「漫画村」ではストリーミング中に暗号資産(仮想通貨)のマイニングを行うプログラムをインストールされるようになっていて、バッテリー持ちが悪くなったり通信量が莫大に増えるという損害を被った方が多数いましたから。
お金を払って楽しみましょう
音楽・映像・マンガなどは公式サイトや正規のサイトからダウンロードしたりストリーミングして楽しみましょう。
海賊版サイトは手軽でお金も必要がない分、ウイルス感染や個人情報の流出など危険性が常に付きまとっています。
当然お金はかかってきますが、安全性を考慮すれば公式サイトや正規のサイトは特に高いものではないのです。
それに今後も音楽・映像・マンガなどのコンテンツを楽しむために、製作者がきちんと対価を得られるためにも海賊版サイトの利用はやめていきましょう。
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