せっかく特急列車や新幹線の指定席券を持っているのに、その列車に乗り遅れてしまうことってありますよね。
その乗り遅れた理由が寝坊だったり道路が混んでいたといった、鉄道会社側には責任がない場合にはどうなるのでしょうか。
それとは逆に、本来ならば乗換えができるはずの列車が遅れたために指定席券を持っている特急列車や新幹線に乗れなかったという、鉄道会社側に責任がある場合はどうなるのでしょうか。
ここでは指定席券を持っているのに乗り遅れてしまった場合の対処法を見ていくことにします。
列車の遅れで指定されている列車に乗り遅れた場合
特急列車や新幹線に乗車するために乗換駅まで新幹線や在来線で向かうことも多いものですが、新幹線や在来線が事故や故障などで遅れてしまい指定されている特急列車や新幹線に乗れなかったいというケースの場合です。
このケースでは乗り遅れの原因がJR側にあるため次のような取り扱いとなります。
・後続の特急列車・新幹線と同一種類・同一区間の指定席への変更
普通車の指定席券を持っていれば後続列車の普通車の指定席券に、グリーン車やグランクラスを持っていれば、後続の列車のグリーン車・グランクラスへ変更してもらえますので駅係員へ申し出てください。
なお後続の列車の指定席が満席の場合は自由席への変更となり特急券は半額が払い戻し、グリーン車やグランクラスは全額払い戻しになります。
駅で指定席が満席のため自由席に変更となったことを証明するスタンプを押してもらい、下車駅で払い戻しを受けます。
・旅行自体を取りやめる場合
後続の特急や新幹線に乗車しても当初の予定より2時間以上遅れることが確実な場合で、旅行自体を取りやめて出発駅へ戻る場合には乗車券や特急券などすべてが無手数料で全額払い戻しになります。
また乗換駅で1時間以上接続がない場合で同様に旅行自体をやめる場合も全額払い戻しの対象となります。
出発駅へは戻らず途中の駅で中止する場合には、乗車していない区間の料金が払い戻しになります。
JRに責任がなく指定されている列車に乗り遅れた場合
寝坊や出発時刻の勘違い、私鉄やバスの遅れ、駅へ自動車で向かう場合の交通渋滞など、JR側の責任とはならないケースで指定された列車に乗り遅れた場合です。
この乗り遅れのケースのほうが多いと思いますが、規則上指定された列車の発車時刻を過ぎると無効となり払い戻しも受けられません。
ただし所持している指定席特急券の乗車日と同じ日の後続の列車の普通車自由席に乗車することはできます。
指定席特急券を持っている「のぞみ」に乗り遅れたので、後続の「のぞみ」「ひかり」「こだま」の自由席に乗車することができます。
では指定席グリーン券を持っていて乗り遅れた場合にはどうなるのかというと、原則は自由席に乗車となるだけでグリーン料金の払い戻しはありません。
しかしグリーン席に空きがある場合で車掌が認め時には、後続列車のグリーン席に座ることができることもあります。
あくまで車掌さんの判断となりますので、とりあえずは相談してみましょう。
全車指定席の新幹線
「はやぶさ」「こまち」「はやて」「かがやき」は全車指定席で運転されており、同じ区間の後続列車も同様に全車指定席だとすると自由席がなく乗車できないことに。
このためこれらの列車の場合には立席(たちせき)としての利用が認められています。
基本的にはデッキなどに立つことになりますが、空席があれば座っていても咎められることはないでしょう。
もちろんその席の指定席券を持っている人が現れれば譲らないといけません。
全車指定席の在来線特急列車の一部
JR東日本の在来線特急の「ひたち」「ときわ」「あかぎ」「あずさ」「かいじ」「富士回遊」「はちおうじ」「おうめ」「踊り子」「湘南」「成田エクスプレス」の各列車は全車指定席ですので、「はやぶさ」「こまち」「はやて」「かがやき」と同様に後続列車を立席で利用することができます。
座席上のランプが空席を表す赤色の場合には座席に座ることもできます。
その他の全車指定席の在来線特急列車
その他にも全車指定席で運転される特急列車がありますが、乗り遅れた場合は後続の特急列車の自由席に限り乗車できます。
後続の特急列車も全車指定席の場合には、残念ながら乗車することはできませんし払い戻しもできません。
あらためて指定席特急券を購入して乗車することになります。
割引きっぷや企画きっぷは要注意
割引きっぷや企画きっぷは商品によって扱い方が異なります。
新幹線回数券(指定席)も割引きっぷの一つですが、指定した列車に乗り遅れた場合は一般のルールが適用されて後続列車の自由席が利用できます。
東海道・山陽新幹線のエクスプレス予約も割引料金で利用できますが、こちらも指定した列車に乗り遅れた場合は一般のルールが適用されて後続列車の自由席が利用できます。
えきねっとで購入した無割引の指定席特急券やスマートEXで購入した指定席特急券も、乗り遅れた場合には後続列車の自由席が利用できます。
「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」は割引額が大きくてお得感が大きいのですが、こちらは企画きっぷの扱いとなり乗り遅れた場合には無効となりますし、後続列車への乗車も認められません。また乗車券つきタイプの場合は乗車券としても利用できなくなるといった制約もあります。
その他の割引きっぷやホテルなどとセットになって発売される企画きっぷについては、乗り遅れた場合の救済措置はほぼありません。
一部で乗車券部分のみ有効となる企画きっぷもありますが、大半の企画きっぷでは乗り遅れた場合には無効となり、後続列車に乗車する場合には乗車券や特急券が別途必要になります。
指定された列車に乗れそうにないときは先に変更しておく
JRの責任にならない理由で指定された列車に乗り遅れそうなときには、変更が可能なきっぷならば変更してしまいます。
企画きっぷの中には一度指定した列車の変更ができないものもありますが、そうでなければ早めに変更したほうが良いですよ。
指定した列車(切符に書かれている時間)の出発時刻を過ぎると変更や払い戻しはできません。
駅以外にも“みどりの窓口”を設けている旅行会社が近くにあれば、とにかく出発時間までに変更してしまいましょう。
無割引の指定席特急券は一度だけ変更が可能です。
新幹線回数券、エクスプレス予約、スマートEXは何度でも変更が可能です。
また「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」は、きっぷ受け取り前で出発時刻6分前までならばインターネットから変更が何度でも可能です。
このように乗り遅れそうなときは先に後続列車の指定席に変更しておけば、自由席に乗車せずに済みますよ。