「ふりがな」の書き方を調べると、真っ先に出てくるのが履歴書での記入の仕方です。
履歴書はそう何度も書くことがありませんから、「ふりがな」の書き方について調べたい方が多いのでしょう。
しかし履歴書以外でも「ふりがな」を書く機会は意外と多く、記入例が記載されておればそれに従えばよいのですが、特に指示がない場合には「ふりがな」の書き方について戸惑ってしまうことも少なくはありません。
そこで日常生活でも書くことが多い「ふりがな」の書き方についていっしょに勉強していきましょう。
「ふりがな」と「よみがな」の違い
「ふりがな」と「よみがな」ってともに漢字の読み方を示すために書く「かな」のこと。
地名や人名など読み間違いしやすい漢字のほか、小説などでは特に読み方を指示するために「かな」がふられることもあります。
例)女を「ひと」と読ませるなど
一般的に「ふりがな」は漢字の上に書くものを指します。
履歴書や申込書など氏名や住所の上にやや小さな文字で「ふりがな」を記入しますね。
また「ふりがな」をふることを「ルビ」をふると言われることも。
書籍などでは本文を5号の大きさで印刷することが普通で、その「ふりがな」には7号の大きさの文字を使っていたのですが、この7号の大きさの文字を「ルビー」と呼んでいたことから「ふりがな」をふることを「ルビ」をふるとか、「ふりがな」用の小さな文字のことを「ルビ文字」と呼ぶようになったそうです。
「よみがな」は「ふりがな」の一種で、「ふりがな」のように漢字の上に小さな文字で記入することもあれば、漢字の後ろに括弧書きで書くなどその記入方法はさまざまです。
例)行方(なめかた)
読み方を表すもの全体的に「よみがな」、そして「よみがな」のうち漢字の上に小さな文字で読み方を表すものが「ふりがな」といったイメージとなります。
ただ厳密に分けられているわけではなく、漢字の後ろのカッコ内に「フリガナ」を記入してくださいといった例も少なくはありません。
「ふりがな」と「フリガナ」
氏名や住所を記入する欄に「ふりがな」や「フリガナ」といった記載があれば、一般的には漢字の上に仮名文字で読み方を記入します。
その際に「ふりがな」と書いてあればひらがなで記載し、「フリガナ」と書いてあればカタカナで記載します。
筆者は振り仮名=カタカナというイメージが強く、「ふりがな」と書かれているのについカタカナで書いてしまうことが。
提出先によっては新たな用紙を用意されて書き直すこともありますから、「ふりがな」と「フリガナ」の違いには十分注意しましょう。
「振り仮名」はどこに書けばいいの?
「振り仮名」は指定されたエリアに書けば良いのですが、それでも悩んでしまうことってありますよね。
例えばその漢字の読み方がわかるように「振り仮名」は当該漢字の真上に書くほうがいい?
「振り仮名」を記入する欄に枠がある場合はどうすればいい?
ここではケースごとに「振り仮名」を書く位置について見ていきます。
「振り仮名」を記入する枠が無いとき
最も多いケースですね。
この場合には基本的に読みを表そうとする漢字の真上近くに「ふりがな」を記入します。
「ふりがな」とひらがなで表記されていますから、間違わずにひらがなで記入しましょう。
なお
住所に「ふりがな」を記入する場合ですが、丁目または番地の手前まで「ふりがな」を記入すればOKです。
以前は「10チョウメ 1-1」「10ちょうめ 1-1」のように「フリガナ」や「ふりがな」をふることが多かったのですが、官公庁へ提出するもののほか履歴書でも上の例のような書き方が一般的となっています。
マンションやアパート名に「振り仮名」をふる必要はありませんが、読み方が難しかったり読み間違えされやすい場合には記載しておきます。
なおマンション・アパート・ハイツといった名称にも忘れずに「振り仮名」をふり、部屋番号には「振り仮名」をふらないように注意しましょう。
「振り仮名」をふるマスがある場合
金融機関に提出する書類などでよく見られる、「フリガナ」をマスの中に書いていく形式のものです。
(1)
(2)
「フリガナ」のマスが無ければ(2)のように漢字の上にふればよいのですが、マスがある場合には(1)のように左詰めでふっていきます。
また姓と名の間は1マスあけることが基本です。
「フリガナ」(カタカナ)の場合には濁点(゛)や半濁点(゜)に1マスを使います。
「ふりがな」(ひらがな)でマスがあるケースはあまりありませんが、濁点(゛)や半濁点(゜)に1マスを使うことはあまりありません。
注)
書き方の見本や注意事項として
・姓と名の間は1マスあける、またはあけない
・濁点や半濁点は1マス使う、または使わない
といったことが書かれていることが多いですので、その場合はそちらに従って記入しましょう。
「フリガナ」を略語で記入する
銀行振り込みなどの場合には、株式会社といった法人名は略語が用いられます。
以下はジャパンネット銀行から抜粋したものです。
なお括弧()はそれぞれ1マス使用します。
田中株式会社→タナカ(カ
株式会社田中→カ)タナカ
田中株式会社横浜営業所→
タナカ(カ)ヨコハマ(エイ
のように使用します。
種 類 | 略 称 | ||
先頭に使うとき | 途中に使うとき | 末尾に使うとき | |
株式会社 | カ) | (カ) | (カ |
有限会社 | ユ) | (ユ) | (ユ |
合名会社 | メ) | (メ) | (メ |
合資会社 | シ) | (シ) | (シ |
合同会社 | ド) | (ド) | (ド |
医療法人 | イ) | (イ) | (イ |
医療法人社団 | |||
医療法人財団 | |||
社会医療法人 | |||
一般財団法人 | ザイ) | (ザイ) | (ザイ |
公益財団法人 | |||
一般社団法人 | シヤ) | (シヤ) | (シヤ |
公益社団法人 | |||
宗教法人 | シユウ) | (シユウ) | (シユウ |
学校法人 | ガク) | (ガク) | (ガク |
社会福祉法人 | フク) | (フク) | (フク |
更生保護法人 | ホゴ) | (ホゴ) | (ホゴ |
相互会社 | ソ) | (ソ) | (ソ |
特定非営利活動法人 | トクヒ) | (トクヒ) | (トクヒ |
独立行政法人 | ドク) | (ドク) | (ドク |
地方独立行政法人 | チドク) | (チドク) | (チドク |
弁護士法人 | ベン) | (ベン) | (ベン |
有限責任中間法人 | チユウ) | (チユウ) | (チユウ |
無限責任中間法人 | |||
行政書士法人 | ギヨ) | (ギヨ) | (ギヨ |
司法書士法人 | シホウ) | (シホウ) | (シホウ |
税理士法人 | ゼイ) | (ゼイ) | (ゼイ |
国立大学法人 | ダイ) | (ダイ) | (ダイ |
公立大学法人 | |||
農事組合法人 | ノウ) | (ノウ) | (ノウ |
管理組合法人 | カンリ) | (カンリ) | (カンリ |
社会保険労務士法人 | ロウム) | (ロウム) | (ロウム |
2.営業所略語 | |||
営業所 | エイ) | (エイ) | (エイ |
出張所 | シユツ) | (シユツ) | (シユツ |
3.事業略語 | |||
連合会 | レン) | レン | レン |
共済組合 | キヨウサイ) | キヨウサイ | キヨウサイ |
協同組合 | キヨウクミ) | キヨウクミ | キヨウクミ |
生命保険 | セイメイ) | セイメイ | セイメイ |
海上火災保険 | カイジヨウ) | カイジヨウ | カイジヨウ |
火災海上保険 | カサイ) | カサイ | カサイ |
健康保険組合 | ケンポ) | ケンポ | ケンポ |
国民健康保険組合 | コクホ) | コクホ | コクホ |
国民健康保険団体連合会 | コクホレン) | コクホレン | コクホレン |
社会保険診療報酬支払基金 | シヤホ) | シヤホ | シヤホ |
厚生年金基金 | コウネン) | コウネン | コウネン |
従業員組合 | ジユウクミ) | ジユウクミ | ジユウクミ |
労働組合 | ロウクミ) | ロウクミ | ロウクミ |
生活協同組合 | セイキヨウ) | セイキヨウ | セイキヨウ |
食糧販売協同組合 | シヨクハンキヨウ) | シヨクハンキヨウ | シヨクハンキヨウ |
国家公務員共済組合連合会 | コクキヨウレン) | コクキヨウレン | コクキヨウレン |
農業協同組合連合会 | ノウキヨウレン) | ノウキヨウレン | ノウキヨウレン |
経済農業協同組合連合会 | ケイザイレン) | ケイザイレン | ケイザイレン |
共済農業協同組合連合会 | キヨウサイレン) | キヨウサイレン | キヨウサイレン |
漁業協同組合 | ギヨキヨウ) | ギヨキヨウ | ギヨキヨウ |
漁業協同組合連合会 | ギヨレン) | ギヨレン | ギヨレン |
公共職業安定所 | シヨクアン) | シヨクアン | シヨクアン |
社会福祉協議会 | シヤキヨウ) | シヤキヨウ | シヤキヨウ |
特別養護老人ホーム | トクヨウ) | トクヨウ | トクヨウ |
有限責任事業組合 | ユウクミ) | ユウクミ | ユウクミ |
まとめ
知っていそうでいざ書く時には迷うこともある「振り仮名」
・「フリガナ」ならばカタカナで
・「ふりがな」ならばひらがなで
マスにフリガナを記入するときには
・左詰め
・姓と名の間は1マスあける
・「゛」や「゜」は1マス使う
といったところがお約束事になっています。