きっぷ・定期券・回数券・特急券などの乗り越し精算について
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きっぷ・定期券・回数券・特急券などの乗り越し精算について

公共交通の切符のルール

SuicaやICOCAなどの交通系ICカードを利用する方が多くなっているため、乗り越し精算についてあまり深く考えることがないかもしれません。
すべての乗車券類は実際に乗車した運賃・料金から所持している乗車券類の運賃・料金との差額を払えばよい、って思っていませんか?

このページでは乗り越した場合(乗車後の乗車区間の変更・一般的に乗車変更と呼んでいます)の運賃・料金の精算方法を見ていきます。

きっぷ(乗車券)の乗り越し精算・発駅計算

A駅からB駅へ行くつもりで290円区間の切符を購入した。
でもその先のC駅まで乗り越すことにした。

A駅からC駅までは410円で、降りるときに差額の120円を支払った。
一般的に思い浮かべる乗り越し精算はこの“発駅計算”ですね。

大半の私鉄では距離に関係なくこの発駅計算によって差額を精算します。
また発駅計算のことを根元から計算しなおすことから根本計算ということもあるようです。

 

またJRでも
100㎞以内のきっぷ(乗車券)の場合
同一の大都市近郊区間内のきっぷ(乗車券)で同区間内の駅に乗り越した場合
に限って発駅計算としています。

※大都市近郊区間=仙台・新潟・東京・大阪・福岡の5近郊区間が設定されています。

きっぷ(乗車券)の乗り越し精算・打ち切り計算

東京から大阪までの乗車券8910円を所持していて、神戸まで乗越す場合。
東京から神戸までは9460円、大阪から神戸までは410円です。

 

東京から大阪までは100㎞を超えていますので、発駅計算ではなく打ち切り計算となります。
ですので精算額は9460円-8910円の550円ではなく、410円が精算金額となります。

 

このように打ち切り計算のため、最初から乗り越し精算するつもりで乗車券を購入すると安く上がるケースって意外と多いです。
乗車券分割プログラムであらかじめ調べておけば損はしませんよ。

定期券での乗り越し精算

定期券による乗り越し精算でよく勘違いされている方が多いケースには

たとえば
新宿から新百合ヶ丘までの通勤定期券を持っていて、伊勢原まで乗り越す場合。
普通運賃(IC)は新宿から新百合ヶ丘までは314円、新宿から伊勢原までは597円、新百合ヶ丘から伊勢原までは377円です。

 

新宿から新百合ヶ丘まで定期券があり普通運賃だと314円相当で、新宿から伊勢原までの普通運賃は597円だから差額の283円が乗り越し精算の金額だ。

 

こう考えておられる方って本当に多いですよ。

 

乗り越し精算と一般的に呼びますが、本当は乗車後のきっぷの乗車区間の変更(乗車変更)という扱いになります。

ただし今回例にした新宿から新百合ヶ丘の定期券の区間を新宿から伊勢原までに変更したのではなく、定期券の有効区間外である伊勢原まで乗車したため別途運賃を支払う必要があり、定期券の有効区間の端の新百合ヶ丘から伊勢原までの普通運賃377円が必要になります。

 

もっと簡単な言い方をすると

 

新宿から新百合ヶ丘までの定期料金は払っていますが普通運賃(314円)は元々支払っていませんので、差額を計算するということ自体が不可能なのです。
なので新百合ヶ丘から伊勢原までの普通運賃(377円)を支払う必要があるのです。

回数券での乗り越し精算(大半の事業者で回数券発売終了)

回数券での乗り越し精算ですが、一般的には打ち切り計算されます。

たとえば大阪から三ノ宮までの回数券で元町まで乗越した場合です。
大阪から三ノ宮までは普通運賃で410円、大阪から元町も410円、三ノ宮から元町は130円です。

発駅計算による差額支払の場合だと精算不要になりますが、残念ながら回数券は打ち切り計算ですので130円を支払う必要があります。

 

これも定期券と同じ考え方で、回数券の料金(大阪~三ノ宮は特定区間なので9回分の3690円)は支払っていますが、普通運賃は元々支払っていません。
なので発駅計算自体が不可能という考え方なのです。

一部鉄道会社では回数券での乗り越し計算の方法が違う

一般的に回数券は〇駅から×駅までというように、乗車区間を指定して発売されています。

しかし東京メトロ・都営地下鉄など一部の関東の鉄道と関西のほとんどの私鉄では、回数券の発着駅を指定せずに料金区間として発売しています。

発着駅は指定されていないので、たとえば東京メトロの170円区間の回数券を購入すれば、北千住からでも新宿からでも任意の駅から170円区間の駅まで乗車できます。

 

そして乗り越しする場合には発駅計算となって、たとえば新木場から170円区間の回数券で永田町まで乗車した場合。
新木場~新富町が170円区間の最遠区間で、新富町~永田町は170円、新木場~永田町は200円です。
一般的な打ち切り計算だと170円の精算料金が必要ですが、発駅計算によって200円-170円=30円でOKです。

 

※大半の鉄道事業者で回数券の発売が終了しています

 

 

新幹線の特急券などの乗り越し精算

JRでは指定券(特急券・グリーン券・グランクラス・寝台券・指定席券)、自由席特急券、特定特急券、急行券、自由席グリーン券の乗車後の変更は1回に限って可能で、変更前と変更後の料金を比較してその差額を支払うとなっています。

乗車券で言うところの発駅計算ですね。

 

自由席を利用している場合に券面の区間を超えて利用しても、車掌に申し出て精算さえすればそのまま座っていても何の問題もありません。

しかし指定席となると、今座っているシートは次に使用する人が決まっていて座り続けることができないこともありますし、指定席は満席のこともあるでしょう。
できるだけ乗車前に区間変更しておくほうがいいですね。

きっぷ(乗車券)の乗り越し精算・補足

100㎞以内のきっぷ(乗車券)の場合

塚本から大阪まで(3.4㎞ 160円)のきっぷで東京まで乗り越した場合。

大阪市内から東京都区内までは8910円なので
8910円-160円=8750円が精算金額(発駅計算)

発着ともに同一の大都市近郊区間内のきっぷ(乗車券)の場合

伊東から東京まで(121.5㎞ 2310円)のきっぷで上野まで乗り越した場合と大宮まで乗り越した場合。

元のきっぷは100㎞以上ありますが伊東・東京・上野・大宮はともに東京近郊区間(大都市近郊区間)内の駅です。
このためこの例ではすべて発駅計算となります。

伊東から上野 2310円
伊東から大宮 2640円

上野での精算額は0円、大宮での精算額は330円になります。

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