あおり運転が大きくクローズアップされた影響で、多くの方が自動車にドライブレコーダーを搭載するようになりました。
多くの方が利用するするようになり出荷台数が伸びてくると機能が向上してきます。
画質が良くなったり、前方向だけではなく後方も録画できる機種も登場しています。
しかし、いざ事故の場面に遭遇してしまったとき、何も録画されていなかったというケースも多くあるようです。
その理由の大半はSDカードだということをご存じですか?
録画されていなかった原因の大半はSDカードにあります
事故だけではなく、あおり運転をされたときの証拠としても重要になってくるドライブレコーダー。
事件の証拠集めとして、事件現場付近を走行した自動車のドライブレコーダーに映った画像を警察が捜査するといったことも、周辺の防犯カメラのチェックとともに一般的になってきました。
それだけドライブレコーダーの証拠能力が高いことの証明でもあるのですが、いざドライブレコーダーのSDカードをチェックしてみると何も映っていなかったというケースがかなり増加しているのです。
ドライブレコーダーに装着のSDカードは酷使されている
ドライブレコーダーは走行中の様子を常に録画し、録画容量がいっぱいになると古い記録の上に上書きしていきます。
つまりドライブレコーダーではSDカードへの書き込みと消去を常に繰り返している状態なのです。
日常的に酷使されるドライブレコーダーのSDカードではエラーが起きやすくなり、全く録画されない事態になってもおかしくないと言えるのです。
SDカードの書き換え回数には目安がある
SDカードによって書き換え可能な回数の目安があり、方式によって1,000回から100,000回といわれています。
常に書き換えを行いながら録画しているドライブレコーダーでは、目安とされている回数にすぐに達してしまうことでエラーが起きて録画されなくなるのです。
衝撃を受けた映像は別フォルダに保存しているけども
事故などある一定以上の衝撃があった映像は、常時録画されている映像と別のフォルダに保存されているので消去されないようになっています。
しかし、衝撃の何秒か前から保存されていますよね?
常時録画しておいて、衝撃があった場合にはその何秒か前からの映像を別フォルダに入れるようになっているのですが、SDカードにエラーがあれば常時録画もされませんので、肝心の衝撃があった事故映像なども保存されなくなってしまうのです。
常に録画されるようにSDカードのメンテナンスを
ドライブレコーダーで録画されていない原因の大半はSDカードにあります。
そこで次のようなSDカードのメンテナンスを行いましょう。
定期的に映像を確認しましょう
まずはむずかしく考えずに、ドライブレコーダーできちんと映像が残されているのかを定期的に確認しましょう。
国民生活センターの調べによると、映像が録画されていることを確認したことがない人は44%にも上り、また確認した人のうち映像が録画されていなかったと答えた人は7%にも上ったそうです。
事故やトラブルの際に肝心の映像が録画されていない事態を避けるためにも、定期的に映像が残されていることを確認しましょう。
SDカードをフォーマットする
フォーマットとは初期化という意味です。
記録する際には細かい区分分けが行われ、その区分ごとに記録されていきます。
フォーマットすると記録だけではなく使用後に作られた区分もすべて消去され、購入時の状態に戻すことができます。
SDカードのエラーの多くはこの区分分けされた部分がずれるなどして使えなくなる状態が大半ですので、定期的にフォーマットすることでエラーが起きにくくなるのです。
なおフォーマットはドライブレコーダーで行ってください。
ドライブレコーダーで録画した映像を見るためのビューワーソフトがなければ映像を見ることができないのですが、ドライブレコーダーでフォーマットすることでこのビューワーソフトがSDカードにインストールされるのです。
SDカードを交換する
フォーマットすることである程度の機能は回復するのですが、それでも書き換え回数の目安となる上限を超えてくると寿命が尽きた状態になります。
SDカードによるのですが、理想は3年に一度の交換です。
筆者はルームミラーの裏側の助手席寄りにドライブカメラを設置しています。
運転中の視界に入ってこないようにするためです。
先日助手席に座っていた子供に
「SDカードが故障していますって表示が出ている」
と指摘され、そこではじめてSDカードの不調に気付いた。
ドライブレコーダーでフォーマットするもエラーが出るし、自宅に持ち帰ってパソコンでフォーマットするもやはりエラーが出る始末。
衝撃を感知して別フォルダーに保存されているはずの映像も呼び出せず、このSDカードは故障によって使用不可能な状態になっていました。
ちなみにそのSDカードは装着して5年を超えていたので、完全にメンテナンス不足が招いたものでした。
その他の録画されない理由
SDカードのエラーのほか、次のような理由でドライブレコーダーの映像が録画されないことが考えられます。
電源に関する問題
ドライブレコーダーの電源をどこから取っていますか?
接触不良で正常に電源が供給されていなかったり、ヒューズが切れてドライブレコーダーに電気が来ていない可能性があります。
本体の故障
ドライブレコーダー自体の故障があればさすがに映像は残されません。
保証書などとともに購入先のショップまたは販売会社へお問い合わせください。
ドライブレコーダーの性能
ドライブレコーダーによっては動作環境温度の幅が狭いものがあり、車内の温度が低すぎたり高すぎたりすると動作しないものがあるようです。
SDカードの規格がドライブレコーダーに合っていない
ドライブレコーダーによって4GB以上とか8GB以上の容量が必要となっているのですが、この容量を満たしていない可能性があります。
またドライブレコーダーによって求められるSDカードの書き込み速度が違います。
書き込み速度が遅いと正常に録画されなくなるので、求められる書き込み速度またはそれ以上の性能があるSDカードを用います。
CLASSの後の数字が大きいほど書き込み速度が速い CLASS2からCLASS10まで
または
Vの後の数字が大きいほど書き込み速度が速い V6からV90まで
CLASS10とV10の書き込み速度が同等
まとめ
いざという時に活用したいドライブレコーダーが、そのいざという時に役に立たなくて困ったという方が意外に多くおられるようです。
国民生活センターなどへ寄せられるドライブレコーダーに関する相談で、記録に関する相談は年々増加傾向にあるとのこと。
その多くはSDカードに起因する原因だったようです。
ドライブレコーダーではSDカードは酷使され、またほかの機器で使うのに比べて劣化も早くなってしまいます。
マメにSDカードをチェックして、いざという時ドライブレコーダーが役立つ状態にしておきましょう。