療育手帳の更新と転居した際の手続きについて
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療育手帳の更新と転居した際の手続きについて

知的障害

自治体によって考え方が違いますが、18歳まではおおむね2~3年に一度更新しなければいけませんが、18歳を超えるとその扱い方に大きな差があり3~10年ごとだったり、更新は1度だけといった自治体もあれば、40歳以降は更新ナシといった自治体もあります。

また療育手帳(自治体によっては「愛護手帳」「愛の手帳」「みどりの手帳」といった名称を使っていることも)自体が旧 厚生省(現 厚労省)の通達によって都道府県または政令指定都市がそれぞれ独自の基準によって運営をしているために、地域によって等級の考え方が違っていたりします。

このため引越しをして別の自治体へ転入した場合などには、少し面倒なことになることもあるようです。

 

 

療育手帳の更新

一般的に療育手帳をはじめて申請するのは子供の時が多いと思います。

我が家の子供も初めて申請し交付されたのは3歳のころでした。

 

療育手帳には有効期限とか次回の判定時期などが記されていて、その期限までに再判定を受けて再び療育手帳を発行してもらう更新手続きを受けなけらばなりません。

更新の時期は各都道府県や政令指定都市ごとに考えが違っており、東京都は満3歳・6歳・12歳・18歳に再判定を受けるという満年齢での更新というスタイルとなっていますが、多くの場合は2年先とか3年先といといった期限で区切っているケースのほうが多いです。

我が家の子供のケースでは3年おきの更新でした。

 

更新手続きの申込先も自治体によって違い、自治体の福祉担当の係に申し込む場合と児童相談所(こどもセンターとか子ども家庭総合センターなど)へ直接申し込む場合もあります。

とにかく療育手帳の制度は法律で定められたものではなく、旧 厚生省(現 厚労省)の通達にもとづいて各自治体が運営している状態なので、自治体間で扱いが相当異なってしまうのです。

 

18歳までは児童相談所が判定を担当しますが、18歳を超えると知的障害者更生相談所(心身障害者福祉センターや心身障がい者リハビリテーションセンターなど)が担当となり、再判定を行う機関が変わります。

18歳以上の療育手帳の更新時期は自治体によって大幅に違っており、18歳を超えて一度でも知的障害者更生相談所(児童相談所以外)で判定を受けた場合は以降の再判定は不要となる自治体もあれば、10年ごとに再判定が必要な自治体もあるなど、運用にかなり差があります。

 

我が家の子供の場合は、最後に児童相談所で判定を受けたのが17歳の時。

再判定の時期は5年後の22歳となっていたので知的障害者更生相談所で判定を受けたのですが、次の再判定は不要となりました。

療育手帳に貼られた顔写真を替えたいときは、手帳と顔写真をもって役場の福祉課に来てくださいとのことでした。

 

自治体によって運用が違うというのは、同じ手続きなのに居住地域によって差が出るという極めて理不尽な状態になっていると言わざるを得ません。

もう少し国が主体となって、自治体間の運用の差を無くすようにしてもらいたいところです。

 

 

引越した時の療育手帳の手続きの概要

引越した時の療育手帳の手続きですが、どこからどこへ転居するのかによって手続きが変わってきます。

これまでにも書いてきた通り、療育手帳の制度は国からの通達にもとづいて各自治体が運営しています。

ですので同じ自治体内(同じ都道府県内または同じ政令指定都市内)での異動なのか、別の自治体への異動なのかによって手続きが変わってきます。

 

同じ都道府県内または同じ政令指定都市内での異動

お住まいが大阪府高槻市で大阪府枚方市に引っ越す場合は同じ自治体内(同じ都道府県内)での異動。

大阪市北区にお住まいの方が大阪市淀川区に移動する場合も同じ自治体内(同じ政令指定都市内)での異動。

そして大阪市東淀川区から大阪府吹田市への異動は別の自治体への異動となります。

 

同じ自治体内での異動の場合は住所変更のみで使用ができますので、転居した地域の役場へ転入届を出すときなどに、療育手帳を持っていっしょに手続きを終えてしまいましょう。

※かなりの自治体で印鑑不要になっていますが、念のために印鑑は持参しましょう。

 

別の自治体への異動の場合

療育手帳は都道府県単位または政令指定都市単位で運営されているので、異なる自治体への引越しの場合は療育手帳の住所変更だけでは済まないのです。

だって療育手帳という一般的な名称ではなく、愛護手帳・愛の手帳・みどりの手帳など名称が違っていたり、判定の基準や等級が違うなど自治体間でかなり相違する部分がありますから。

 

基本的には転居先の自治体の児童相談所または知的障害者更生相談所で判定を受けて、新たな療育手帳を発行してもらう必要があります。

 

またお持ちの療育手帳は転居前の自治体の市町村役場の福祉担当へ返納する必要があります。

 

療育手帳を取得された方は経験しているのでご存じだと思いますが、取得するのってかなり面倒だし時間もかかるしで、できればもう経験したくはないですよね。

また引越しに先立って転居前の市区町村役場へ療育手帳を返しちゃったら、転居先の自治体で療育手帳を発行してもらう間までの数か月間は何も持たない状態になってしまいます。

本当ならばJRの運賃をはじめ各種施設での割引が受けられるはずなのに、空白の期間ができることで割引が受けられなくなります。

 

ただし厚労省の通達によって少しは改善されている点もあるので、次の章以降順に説明していきます。

 

 

他の自治体へ引越しするときに覚えておきたい療育手帳に関する手続き

厚労省が各自治体あてに「転居に伴う療育手帳の取扱いの留意事項について」という通達を出しています。

その本文については以下をご参照ください。

・転居に伴う療育手帳の取扱いの留意事項について(◆平成05年06月22日児障第42号)

 

手帳の記載事項の訂正により使用することが原則

別の都道府県や政令指定都市から異動の場合でも、原則として記載住所の変更だけで同じ手帳を使い続けられるように求められています。

昭和四八年九月二七日児発第七二五号厚生省児童家庭局長通知「療育手帳制度の実施について」において、他の都道府県又は指定都市(以下「都道府県等」という。)の区域に住所を移した場合、同一都道府県等内における住所変更の取扱いと同様に、新住所地の都道府県等において、手帳の記載事項の訂正により使用することを原則としている。

いまお持ちの療育手帳が転居先でも使用できるように、現在の居住地の役場において継続使用を申し出てみてください。

現在の居住地の役場が転居先の役場へ問い合わせて、そのまま使用可能であれば転居先では住所の書き換えだけでそのまま使用できます。

 

 

ただし現実にはほとんどの自治体で新しい療育手帳の発行を行っています。

特に等級制度が違う自治体においては、なかなか継続使用が認めらていません。

新住所地の都道府県等における独自の援助措置の基準として、中度等の区分を設けており、旧住所地の療育手帳をそのまま使用することが困難で、やむを得ず新規に発行する場合には、障害をもつ本人等の負担の軽減、一貫した指導・相談等の観点から、次の措置を行うことで、運用の改善を図られたいこと。

このように等級区分の違いなどにより、継続使用が困難な場合には新規発行を認めているので、多くの自治体が新規発行しているのです。

※継続使用を認めないのは転居先の自治体であって現在の居住地の自治体ではありませんから、残念ですがあきらめて次の項以降を参照してください。

 

また養育手帳の等級について詳しく都道府県・政令指定都市別に詳しく調べられているサイトをご覧ください。

 

新しい手帳が発行されるまで手持ちの手帳を使えるようにしてもらう

原則としては転居先でも手持ちの療育手帳が記載変更だけで使えるはずですが、残念ながら多くの自治体では認めてられていません。

そこで転居先で新しい療育手帳を発行してもらうまでの間、手持ちの療育手帳が使えるようにしてもらいます。

新たに療育手帳を交付する場合にあっては、その交付までの間、交通機関の運賃割引等の利用に不便のないよう、経過的に旧住所地の療育手帳の使用を認め、新たな療育手帳の交付と引き替えに回収する等の配慮を行うこと。

継続使用がダメな場合に申し出てください。

※転居前に現在の居住地の役場の福祉担当で!

中にはこの通達を知らないのか、それとも理解していないのかは分かりませんが、他の自治体へ転居すればいま所持している療育手帳は使用できないと突っぱねる職員も残念ながら存在します。

転居に伴う療育手帳の取扱いの留意事項についてをコピーして職員に示して、国の通達通りに扱うようにお願いしてください。

 

転居によって療育手帳を新規発行する場合の再判定について

療育手帳を発行する際に何が面倒かと言えば、児童相談所や知的障害者更生相談所で判定を受けることですよね。

児童相談所や知的障害者更生相談所での判定ってなかなか予約が取れないし、判定は一日仕事になるので学校や仕事などを休まなきゃいけないし。

児童相談所や知的障害者更生相談所って数が少ないから、そこへ行くのも一苦労・・・

 

知的障害児(者)又はその保護者が、旧住所地の児童相談所又は知的障害者更生相談所における判定資料の活用を申し出た場合には、可能な限り、新住所地の都道府県等は、旧住所地の都道府県等の判定資料を活用し、原則として新たに面接を行うことなく療養手帳を交付すること。
判定資料の照会が行われた場合は、趣旨を踏まえ、プライバシーに十分留意して、判定資料の提供を行うこと。

 

国のスタンスとしては明確に、前居住地の児童相談所や知的障害者更生相談所の判定結果を活用することで、新しい住所地で療育手帳を発行する場合の手間を省くことが求められています。

ここで注意が必要なのは、あくまで前住所地での判定結果を活用してほしいと申し出る必要があるという事。

また役所は口頭での申し出は受け付けず、書類の提出によって申し出る必要があるということ。

 

厚労省が下記のような申出書の見本を出していますので参考にどうぞ。

※まだ平成となっていますが・・・

申出書の見本

 

また

旧住所地の療育手帳の記録欄に記された事項のうち必要なものは、コピー等を利用して新規の療育手帳に転記することにより、利用者の一貫した指導・相談等に支障を生じないよう配慮すること。

これまでの記録に関しても新しい療育手帳に転記することなどが求められるなど、かなり細かい通達となっていますので、転居時の療育手帳の扱いでおかしいと感じた場合には、転居に伴う療育手帳の取扱いの留意事項についてをコピーして職員に示し、国の通達通りに扱うようにお願いしましょう。

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