エアコンの冷房・設定温度よりお部屋の温度がかなり低くなるのはなぜ
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エアコンの冷房・設定温度よりお部屋の温度がかなり低くなるのはなぜ

雑学

たとえばエアコンの設定温度を28度の冷房で運転しているとき、手元の温度計では26度にまで下がっているし体が冷えて寒いのに、それでもエアコンからは冷気が出続ける。
そこで設定温度を上げてみるわけですが、やっぱりエアコンからは冷気が出続けていていったい設定温度を何度にすれば冷えすぎなくなるのか分からない。

しかし夜になるとエアコンを動かしているはずが、外のほうが涼しく感じてしまう。
そこでエアコンをオフにして窓を開けてみたものの、風がないためにやっぱり少し暑いと感じてしまい、けっきょくまたエアコンを動作させる。

これ両方ともよくある話ですよね。

いったいなぜこのようなことが起きるのでしょうか?
それぞれの対策を考えてみました。

 

 

エアコンの設定温度はどこの温度を表しているの?

エアコンで温度を設定すれば部屋はその設定温度になるはず。

これって正解でもあり不正解でもあるのです。

エアコンの設定温度は、エアコンの空気の取入れ口にあるセンサーで測った温度を指します。
エアコンが取り込んだお部屋の空気の温度が設定温度になっていれば、冷気を出さなくなり送風状態になります。
しかし温度計を見るとエアコンの設定温度より低くなっているし、体もかなり冷えてきて寒く感じる方も多いはずなのに、冷気が止まる様子は一向になく冷たい空気がエアコンから出続けている。

これじつはエアコンが取り入れている空気の温度はやっぱり設定温度より高い。
だからいつまでたっても冷気が出続けてしまうのです。

どういうことかと言うと

エアコンは通常天井に近い部分など、お部屋の上部のほうに取り付けられていますよね。
そして冷たい空気は下のほうへ溜まり、温かい空気は上のほうに溜まってしまいます。
つまりお部屋の上のほうに溜まった暖かい空気をエアコンが取り込むことで、まだ設定温度にまで下がっていないからと冷気を出し続けることになるのです。
一方冷たい空気は下のほうに溜まるわけですが、人はその下のほうに溜まった冷たい空気に接することから寒く感じますし、お部屋の温度計もエアコンの設定温度より低い値を指すわけです。

 

冷房の推奨設定温度は28℃?

環境省が「COOLBIZ(クールビズ)」を推進していることは多くの方がご存じのことと思いますが、その中で冷房の設定温度を「28℃」にするよう推奨されているって聞いたことありませんか?

これ実は冷房時のお部屋の温度を28℃にし、さらに軽装にすることで地球温鈍化対策に役立てようというものです。また外気温、湿度、西日が差し込むなどの条件によっては、室温を28℃に保ったとしても暑く感じてしまいますし、さらに体調なども考慮し無理をしない程度に冷やし過ぎないようにと呼びかけているものです。

つまり28℃は一つの目安であるということ。
さらに言えば、エアコンの冷房使用時の設定温度を「28℃」にと呼びかけているものではありません。

 

 

お部屋の空気を循環させる

暖かい空気はお部屋の上のほうに溜まり、冷たい空気はお部屋の下のほうに溜まる。
それぞれに溜まった空気を循環させてあげれば問題は解消されるわけですね。

 

風量を強風にする

設定温度より低くなって体が冷えちゃうから、エアコンの風量は弱風にしている。

こういう方は多いと思いますが、実はこれ間違いなんです。

風量が弱風などの設定になっていると、お部屋の空気をかき混ぜるだけのパワーがありません。
なので暖かい空気と冷たい空気の層ができてしまい、エアコンはいつまでも冷気を出し続け、人は体が冷え切ってしまうわけです。

またこの状態では電気代も高くなりますしね。

エアコンの風量を強風にするとお部屋の空気を循環してくれることになり、エアコンの設定温度と温度計や人が感じる温度との差が極めて小さくなるのです。
そして風量を弱くしているときのようにいつまでも冷気が出続けることもなく、設定温度になれば冷気を出さない弱での送風運転に切り替わってくれます。

意外ですが風量を強風にしている時の方が設定温度になって送風運転になるまでの時間も短くて済み、結果的には電気代も安くなることが多くなります

 

扇風機やサーキュレーターでお部屋の空気を撹拌・循環する

お部屋の中にできる暖かい空気の層と冷たい空気の層。
2つに分かれた空気の層を循環させたり撹拌させる簡単な方法。
それは扇風機やサーキュレーターを使うことです。
よくエアコンと扇風機やサーキュレーターを併用すると電気代が抑えられるって聞きますよね。
空気を撹拌させることでエアコンは正確な室温を知ることになり、設定温度あたりになれば冷気を出さずに送風運転に切り替わります。
当然ですが冷気を出す冷房よりも送風だけのほうが電気代はかかりません。

扇風機やサーキュレーターを使うのはいいけど、どの方向に向かって動かせばいいの?

 

エアコンに背を向けて平行な風向き

扇風機やサーキュレーターの風向は平行にして、冷気をエアコンから遠ざけるように運転します。
これはお部屋の下に溜まる冷たい空気を動かすことで、お部屋全体の空気を循環させるために行います。
広いお部屋や隣の部屋も一緒に冷やすなど、冷房の効率を最優先にした方法です。

扇風機やサーキュレーターによって冷たい空気は動かされるものの、お部屋の上部の温かい空気は撹拌されにくいです。残念ながら今回の目的であるエアコンの設定温度とお部屋の実際の温度を同じにする、という目的からは離れてしまいます。

 

エアコンに向かって上向き

扇風機やサーキュレーターの風がエアコンに当たるように、やや離れた場所(たとえばお部屋の真ん中付近)から上向きにして運転します。
こうすることでお部屋の下のほうに溜まった冷たい空気を上昇させることで上部の暖かい空気と撹拌されて、お部屋で2層に分かれた空気の温度はほぼ同じになります。
エアコンが吸い込む空気は平均化された温度となり、その温度が設定温度に近ければ送風運転に切り替わってくれますので冷やし過ぎ防止、電気代の節約にもつながりますね。

そして

エアコンの設定温度とお部屋の温度計はほぼ同じ値になるのです。

 

 

夜になるとエアコンの効きが悪いと感じられる

日中と同じ温度設定のままエアコンを使用していると、なんだか部屋の中より外の方が涼しく感じてしまうことってありますよね。
そしてエアコンを切って窓を全開にしてみる。

涼しく感じたのは一時だけで、風がないためかやっぱり暑いなぁということでまたエアコンをつける。

このパターンって夏の猛暑が落ち着いてきて、明け方の最低気温が25℃を下回る熱帯夜ではない日に多くないですか?

 

エアコンの設定温度を下げる

エアコンの冷房の効きが悪いと感じられるならば、とりあえずは日中よりも設定温度を下げる以外に方法はありません。
特に外気温が下がって設定温度に並びだすと、エアコンは冷房運転をやめて冷気を出さず送風運転に切り替わってしまいます。

日中は28度設定でも寒いくらいの冷気を出していたのに、そのままの温度設定では外気温が設定温度に並んだり下回ることから、どうしても効きが悪くなりがちです。
またエアコンが送風運転になることからお部屋の湿度が上昇してしまい、さらに暑く感じてしまうわけです。

日中の冷房使用時の設定温度が28℃前後だったら、夕方以降は25~26℃程度に温度を設定すれば快適に過ごすことができます。

 

除湿を使用する

涼しいと思って窓を開けたけれどもたいして涼しく感じない場合、風がないことに加えて湿度が高いことも考えられます。
例えば同じ28℃の場合でも、湿度が80%を超えるような状況ではムシムシとして暑く感じますし、逆に湿度が50%を下回る状況であれば比較的快適に過ごすことができます。

そこでエアコンの「除湿」を使用するわけですが除湿には

  • 弱冷房除湿
  • 再熱除湿

があります。
エアコンによってどちらの除湿機能を持っているのかは分かりませんし、除湿機能を切り替えることで両方の除湿運転が可能な機種もあります。
くわしくは取扱説明書を読んでください。

「カラッと除湿」や「さらら除湿」という名前の除湿機能は「再熱除湿」です。

 

「弱冷房除湿」は字のごとく弱く冷房を動作させて除湿を行うもので、室温は低下します。
また外気温や室温がエアコンの設定温度以下になると送風運転に切り替わってしまいます。
比較的電気代が安い除湿運転ができます。

対して「再熱除湿」はお部屋の温度を下げずに湿気だけをとる除湿運転になります。
これも名前の通りで、弱冷房状態で除湿された空気をヒーターで温めてから出すという機能です。
これによって室温を下げることなく除湿だけができるのです。
しかしわざわざ空気を暖めて出すことから、電気代は高くなってしまいます。

 

 

さいごに

猛暑日や熱帯夜が当たり前になった日本の夏。
エアコンでお部屋を冷やさなければ熱中症の危険度が相当高まるなど、命の危険にさらされる事態に直面します。

ところが電気代のことや冷えすぎるからとエアコンの設定温度を高めにしても、お部屋の温度は設定温度よりはるかに低くなります。
これはエアコンの故障などではなく、お部屋の空気が循環・撹拌されていないことから起こる現象で、扇風機やサーキュレータを使うことで解消します。

また夕方以降は外の方が涼しく感じるけど、窓を全開にしてみても暑くてやっぱりエアコンのお世話になるというパターンも多いです。
これは外気温が設定温度より低くなっているか、お部屋の湿度が上昇しているために起こります。
エアコンの設定温度を下げて対処しましょう。

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