一般的なイメージとして、瞬間接着剤や多用途に使える接着剤ならばくっつくと思い使ってみるのですが、なぜだかプラスチック類には全く効果が無くてがっかりすることがあります。
筆者も先日コンビニで購入したプリンの空容器を少しばかり細工して、別のプラスチック類にくっつけようと瞬間接着剤を使用したところまったく効果が無く、くっついたのは自分の指だけだったことがあります。
なぜプラスチック類を接着することができないのか。
そしてプラスチック類をくっつけることができる接着剤ってあるのでしょうか。
今回は筆者自身がくっつかずに困った体験から調べたことを記事にしています。
多用途の接着剤なのにプラスチックの接着ができない
先日コンビニで購入したプリンを食べ終わり、屋外に設置しているメダカが入った容器の藻類(アオミドロなど)を取り除くために、プリンの空容器を切って細工して別のプラスチックにくっつけるために強力多用途接着剤と書かれている接着剤を使用。
ところが全く接着される様子はなくただベトベトしているだけ。
おまけに手に接着剤がくっついて、指と指が完全にくっつくなどさんざんな目に遭いました。
強力多用途と書かれていたその接着剤は瞬間接着剤ではありませんが、使用できるものとして
金属・木材・石材・コンクリート・陶器・プラスチック・発泡スチロール・ガラス・ゴム・皮革 など
と書かれておりプラスチック類の接着は可能だと確認して購入したのですが、見落としていた使用できないものの一覧として
ポリエチレン・ポリプロピレン・フッ素樹脂・貴金属・食器などの飲食物が触れる箇所・高価格品
ポリエチレンとポリプロピレンは接着できないと書かれてありました。
改めてプリンの空容器の底を確認すると
プラスチック素材ではあるけどPP(ポリプロピレン)であるとの表示が。
一般的に良く手にするプラスチックってPE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)素材がかなり多く、多用途に使用できる接着剤でもPEやPPの接着には無力なことが多いのです。
ちなみに一般的にプラスチックと呼ばれる素材には
- ポリカーボネート
- ポリスチレン(PS樹脂)(PS)(スチロール樹脂)
- ABS樹脂
- AS樹脂(アクリロニトリルスチレン)
- ポリプロピレン(PP)
- ポリエチレン(PE)
などがあります。
なぜPEやPP素材は接着しにくいのか
PEやPP素材は総じてツルツルしています。
ツルツルしていないとプリンやゼリーが容器にくっついてしまい、非常に食べにくいのでこのツルツルの素材を利用しています。
言い換えると水などをはじく性質(疎水性)を持っており、接着剤もこの性質のために弾いてしまって接着しづらいのです。
上記の使用できないものの一覧にフッ素樹脂が入っていますが、これもフライパンなどに塗布されて焦げ付きにくさを実現していますが、弾く性質があるために焦げ付きにくいし水や接着剤も弾いてしまうのです。
PEやPP素材を接着させるには
PEやPP素材を接着させるには
- 難接着材料用接着剤を使用する
- プライマーを併用する
の2通りが一般的です。
難接着材料用接着剤とは、PEやPP素材といった一般的な接着剤では接着が難しかった素材を接着することができるものです。
- セメダインのスーパーXハイパーワイド
- コニシのボンドGPクリヤー
などは使い勝手が良い接着剤です。
- セメダインのPPXセット のほか
- エスコのプラスチック用瞬間接着剤
- コニシのアロンアルフア(プラスチック用)
などは付属のプライマーを使用することで強力な接着力を得ることができます。
プライマーを別途購入して手持ちの(瞬間)接着剤でくっつけるという手もあります。
ちなみにプライマーとは、接着する面に塗ることで接着剤が弾かれて接着力が得られないことを阻止するもの。
これまでは普通の接着剤では接着できなかったPEやPP素材にプライマーを下塗りすることで、プライマーはPEやPP素材にくっつき、また接着剤もこのプライマーが塗られた面では弾かれることなく接着することができます。
プライマーは接着剤のメーカーから数多く発売されていますが、容量が大きいものが多く、保存しているうちに成分が揮発して使えなくなることも多い。
また上記のプライマーが付属している接着剤も同様です。
なので模型用の小さなプライマーを使うことをお勧めします。
- タミヤ 瞬間接着剤用プライマー
フタに刷毛が付いていて塗りやすく、フタもしっかりしていて揮発しにくいのでお勧めです。
これに100円ショップで売られている瞬間接着剤を組み合わせれば、通常接着できないPEやPP素材もくっつけることができます。