行・宛・御中・様に担当者の印 宛名の敬称のつけ方と消し方
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行・宛・御中・様に担当者の印 宛名の敬称のつけ方と消し方

雑学

ビジネスシーンでもご家庭でも、返信用のハガキや封筒が同封された手紙を受け取ることって多いですよね。
その返信用のハガキや封筒にはあらかじめ宛先が記入されていることが多く、その宛先には「行」「宛」のほか担当者の印が押されていることが大半です。
取引先からや役所からだったり、学校や何かの申し込み用のハガキだったりと、日常的に出くわすことが多い返信用のハガキや封筒。
「行」や「宛」となっている宛名書きを訂正せずに送り返したりしていませんか?
そこで正しい宛名書きの「消し方」と「書き加え方」を見ていきます。

この人はマナーが分かっていないんだな・・・

そんなことを思われて恥をかかないようにきちんとマスターしておきましょう。

 

「行」や「宛」などの文字は二重線で消します

返信用の封筒やはがきなどには宛先があらかじめ印字されていて、会社名・担当部署や担当者名のあとには「行」「宛」のほか「係」といった文字が入っています。
返信するほうにすれば最初から「様」って印字していればいいのにとは思いますが、差し出すほうにすれば自分のところに返ってくる封筒やはがきに、自分で「様」と印字しちゃうのも変ですよね。
そこで「行」「宛」などの文字を消して、相手に失礼が無いように「様」や「御中」といった文字を書き加えます。
消すときは二重線を引いて消します、またものさしなどを使って真っすぐに線を引くようにします。

 

 

「御中」ってなに?

御中は「おんちゅう」と読みます。
担当者個人への返信には「様」を用いますが、会社や担当部署宛など個人宛ではない場合には「御中」を用います。
「御中」は会社など「団体・組織の中の人」へという意味を持っており、特定の担当者や個人ではなく会社や担当部署に宛てた宛先に用います。言ってみればその担当部署の誰が開封しても問題がないという意味にも取れるのです。

 

「各位」はどのように使う?

「御中」と似た意味を持つ言葉で「各位」があります。
各位は「みなさま」という意味を持っており、目上の人に対してでも目下の人に対してでも使用できる便利な敬称です。

「御中」は会社や役所といった組織宛に用いられることが多いのに対して、「各位」は広く「みなさま」に宛てた場合に用いられます。
たとえば「関係者各位」「ご担当者各位」「PTA会員各位」などのように用いられます。

ただし一般的に「御中」のかわりに「各位」を封筒やハガキの宛名の敬称としては用いず、ビジネス文書の本文に入る前の宛名などで用いることが一般的です。

 

 

文字を消す二重線は横?縦?斜め?

基本的には文字の流れに沿って、縦書きの場合は縦に二重線、横額の際には横に二重線を引いて文字を消します。
ただし「行」という文字に縦や横の二重線を引いた場合、消していることが分かりづらくなる場合があります。特に細字のボールペンを用いた場合に分かりづらくなります。

このため斜めの二重線でも特に問題はありません。

 

 

「様」や「御中」を書き加える場所について

「行」や「宛」などの文字を二重線で消した後、「様」や「御中」といった文字を書き加えるわけですが、縦書きの場合は字の流れに沿って二重線で消した文字の下、または二重線で消した文字の左側に書き加えます。

横書きの場合も文字の流れに沿って二重線で消した文字の右側、または二重線で消した文字の下に書き加えます。

 

「様」の代わりに「殿」はダメなの?

「殿」という敬称は目下の人に用いられることが一般的で、使い方としては「様」と同様です。
男性宛でも女性宛でも使える反面、「殿」という敬称は堅苦しく感じられることや、目下の人に対して用いる敬称のために失礼であるという捉えられ方もされます。

ですので「殿」という敬称を用いるよりは「様」という敬称のほうがオールラウンドで使用できることから、今では「様」を用いることがふつうです。

 

 

担当者の印が押されている場合

返信用の封筒の宛先に会社や役所などの団体や所属名の下に「行」の文字とともに、担当者を表す印が押されているケースも多いですね。

この場合ですが印は担当者名を表すわけですから、印の後に「様」と入れるようにします。
くれぐれも印を消して担当者名を書き直したりはしないでください。

また「行」の文字は二重線を引いて消しておきます。
そして「御中」の文字は書き加えてはいけません。
先ほども説明した通り「御中」は会社・役所や担当部署の誰が開封しても良い場合を意味しています。この場合には印の方が担当者だと分かりますので「御中」の文字は必要ありません。

 

 

ここからは例を示しています

横書きの返信封筒で担当者名や印がない場合
「行」を横の二重線または斜めの二重線で消し、「御中」は「行」の横または下に書き加えます。

 

横書きの返信封筒で担当者名の印が押してある場合
「行」を横の二重線または斜めの二重線で消し、「様」は印の横に書き加える。
くれぐれも「御中」を書き加えないように。

 

 

縦書きの返信封筒で担当者名や印がない場合
「行」を縦の二重線または斜めの二重線で消し、「御中」は「行」の横または下に書き加えます。

 

 

縦書きの返信封筒で担当者名の印が押してある場合

「行」を縦の二重線または斜めの二重線で消し、「様」は印の下に書き加える。
くれぐれも「御中」を書き加えないように。

 

 

返信封筒に担当者名が書かれている場合、「宛」や「行」の文字を横書きの場合は横または斜めの二重線で消し、縦書きの場合は縦または斜めの二重線で消す。
「様」を消した文字の下などに書き加える。
この場合「御中」は必要ないので書き加えないように。

 

 

注意点

「御中」や「様」などは敬称であり、敬称を重ねて用いるのはNG。
よく間違えてしまうケースでは以下のようなものがあります。

会社名や部署宛に「御中」と記入し、さらに担当者宛に「様」と敬称を重ねてしまうケースです。
このケースでは手紙の宛先はあくまで担当者宛なのですから敬称は「様」だけでよく、会社や部署への「御中」を付けてはいけません。

※「各位」だけは別で「保護者様各位」「株主様各位」のように「様」と「各位」を重ねるのは全く問題ありません。

 

 

さいごに

ビジネスに限らず、ご家庭でも返信が必要な手紙などを書く機会は多いと思います。
その中で返信用の封筒やハガキがある場合、宛先がすでに記入されていて「行」「宛」「係」といった文字が入っていることが一般的です。
しかし返信されてきた封筒やハガキを見ていると「行」「宛」「係」などが消されず、そのまま送られてくることが多くなっています。
そういった宛先を見ていると
「この人って・・・」
と悪い印象を持ってしまうものです。
そんなに時間がかかるわけでもなく難しいことでもありませんので、ぜひ宛名の敬称の消し方と付け方を覚えていただいて先方に
「やるな」
と思われるようになっていただきたいと思い、この項を書きました。

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