ゾウリムシの簡単な増やし方とメダカの稚魚へ与える量について
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ゾウリムシの簡単な増やし方とメダカの稚魚へ与える量について

メダカ

ゾウリムシという言葉は理科の授業などで聞いたことがあると思いますが、大きさは90~150μm(0.09㎜~0.15㎜)で動物プランクトンに分類されます。

この小ささからメダカの稚魚(生まれた直後から)に与える生きたエサとして、多くの方がご自身で培養して利用されています。

カンタンですから培養にぜひ挑戦してみてください。

またどのくらいの量をメダカに与えるほうが良いのかなど、ゾウリムシに関する疑問点を解説していきます。

 

 

ゾウリムシは購入するのが無難です

培養するにしても、まずは種となるゾウリムシを入手しなければなりません。

ゾウリムシ自体は公園の側溝だったり池や田んぼの水の中にいるでしょうから、これらの場所を探せば入手はできます。

ただしゾウリムシ以外にもさまざまなプランクトンのほか、雑菌類を持ち帰る可能性が極めて高くなります。

せっかくメダカたちのためと思って入手したゾウリムシに、雑菌が混ざっていることでメダカたちに何らかの影響が出る危険性があります。

 

ですので最初は信頼できるショップで購入するか、近所でゾウリムシを培養している方から譲ってもらうかなどを検討しましょう。

ヤフオクなどで評価の良い出品さんから安く購入するのも良いかもしれません。

 

培養する場合ですが、それほどたくさんの量は必要ありません。

筆者は500mlのペットボトルに、種となるゾウリムシを含む飼育液(培養液)を40~50mlくらいで培養を続けています。

ゾウリムシは数匹いれば培養して増やすことが出来るので、もっと少ない量でもまったく問題はありませんが、より失敗しないためにある程度の量を用いて培養することをお勧めします。

 

 

ゾウリムシのかんたんな培養

ゾウリムシを増やすためには当然ですがエサが必要です。

ゾウリムシが食べるエサはバクテリア(細菌)で、培養するためにはこのバクテリアを与えなくてはいけません。

しかし培養している方々はゾウリムシにバクテリアを直接与えているのかと言うとそうではなく、バクテリアを増加させるためにさまざまなモノをゾウリムシの培養液へ投入するのです。

 

豆乳
米の研ぎ汁
生茶(キリン)
強力わかもと
エビオス錠
粉末のお茶
きなこ など

 

などが今よく使用されているゾウリムシのエサ(バクテリア)のエサですね。

これらには酵母や乳酸菌などが含まれていたり、酵母や乳酸菌を発酵によって発生させるのですが、バクテリアはこれらの酵母などをエサとして増加します。

そして増加したバクテリアをエサとしてゾウリムシが細胞分裂などによって増える、つまり培養できるわけですね。

 

培養の方法

ここではもっとも手軽なエビオス錠によるゾウリムシの培養についてみていきます。

エビオス錠がなぜもっとも手軽かと言うと、錠剤になっているので毎回一定の量を投入できるという点と、1錠あたり1~2円という安価な点からです。

 

ペットボトルに種となるゾウリムシを入れます。
最初は500mlのペットボトルに対して100mlくらいの種となるゾウリムシを入れます。(あまり少ないと最初は心配になりませんか?)

慣れてくれば種となるゾウリムシの量を20~50mlくらいにしても良いと思います。

 

ペットボトルに9分目くらいまで水道水を入れます

500mlのペットボトルに100mlのゾウリムシが入っていれば350mlくらいの水道水

 

500mlのペットボトルならばエビオス錠は1錠

1000mlのペットボトルならば2錠、1.5~2Lのペットボトルには3錠をいれます。

10~15分ほどするとエビオス錠が崩れて溶けだしますので、蓋をしっかりと閉めてからエビオス錠が混ざるようにペットボトルを振ります。

ペットボトルの蓋を少しゆるめて置いておきます。

 

気温や元のゾウリムシの量によりますが、4日から1週間程度でゾウリムシがかなり増加しているのが分かりますよ。

※筆者は目が悪いので虫眼鏡で観察しています。

 

蓋を開けて培養液のニオイを嗅いでみたときに、臭いというか硫黄のニオイというか・・・あまり感じが良くないニオイがするかもしれませんが、このニオイがゾウリムシが順調に増加しているしるしでもあるのです。

水面の上部に白い幕のようなものが漂っていて、その下には無数のゾウリムシがいる。

このような感じになっておれば培養は成功です。

(500mlのペットボトルの場合)
・豆乳の場合はストローを使って2~3滴
・米のとぎ汁は最初に研いだ濃いものを25mlくらい
・生茶は水道水で5倍に薄める
・強力わかもとはエビオス錠と同じく1錠(半分でも大丈夫)
・粉末のお茶やきなこはティースプーンに1/3~1/4程度

 

ゾウリムシの入ったボトルはどこに置く?

ゾウリムシは日光が当たっても当たらなくても、増殖のスピードに関してはほとんど差がありません。

ただ日光が当たることでコケ類が発生しやすく、また水温の上下差が激しくなる恐れもあるので、できれば日の当たらない暗い場所のほうが適しているかもしれません。

※増殖の実験では光が当たらない場所のほうがより多くゾウリムシが増えるという結果が出たそうです。
ゾウリムシの生殖

 

気温とゾウリムシの増殖の関係

ゾウリムシの増殖スピードですがやはり水温との関係ももちろんあります。

先ほども参考にしたゾウリムシの生殖によると、15℃~25℃でよく増えるそうです。

そして筆者の経験から言うと、5℃を下回るとゾウリムシは増えません。また30℃を超えると増えませんし死滅するゾウリムシが多くなります。

室温程度がもっともゾウリムシの培養には適していますし、稚魚に与える機会が増えるのも春先からの気温が20℃前後の頃なのでちょうど時期的にはあってますね。

 

夏はエアコンを使わなかったら室内でも40℃近くになります。

するとゾウリムシは増えるどころか死滅する可能性があります。

夏のゾウリムシの培養はできるだけ大きな入れ物(2Lや焼酎などの4Lのペットボトルなど)に入れて水量を増やし、そして日陰に置くようにしてください。

 

冬は室内で7~8℃あれば少しずつですがゾウリムシは増えていきます。

2週間から20日くらいかかってそこそこの数になります。

 

水道水をそのまま使っています

ほとんどのサイトではカルキを抜いた水道水を用いると書いていると思いますし、ミネラルウォーターを勧めているサイトもあります。

しかし筆者はゾウリムシの培養のときには、蛇口から直接ペットボトルへ水道水を入れています。

ゾウリムシは水道水に含まれる塩素濃度ならば耐えることが出来ます。
ゾウリムシの長期飼育と教材化についての一考察

そして水道水の塩素はペットボトルに満タンに入れて密封し、太陽光の当たらない室内に置いたとしても2~3日すれば抜けます。
水道水を汲み置いていれば、カルキが抜けるってホント?

 

実際にこれまでカルキ抜きをしていない水道水でゾウリムシの培養を続けていますが、カルキ抜きを行った水道水との差はまったく見られていません。

カルキ抜きをしていない水道水で培養したゾウリムシをメダカの稚魚に与えていますが、それが原因で稚魚が死んだということもありません。

 

 

メダカにはどのくらいの量のゾウリムシを与えるの?

ゾウリムシをメダカに与えるときに疑問に思うことに、この臭い培養液ごとメダカに与えるの?ってことではないでしょうか。

もちろん培養液を取り除いてメダカに与える方法もあります。

ゾウリムシを培養液から分離・採取する

こちらにゾウリムシと培養液の分離方法が書かれていますので、もしやってみよう!と思われる方がおればチャレンジしてみてください。

※筆者は一度も試したことがありません。。。

 

ほとんどの方は培養液ごと、なかには底に溜まった沈殿物ごとゾウリムシをメダカに与えています。

※筆者は紙製で50枚くらい入ったお茶パックを100均で購入し、沈殿物などをこしてからメダカに与えています。

そしてメダカに与える量ですが、メダカを入れている容器の大きさによって変えています。

10Lくらいの水槽などの場合には20ml程度
60Lの水槽などの場合には100ml程度

この量を1~2日おきに与えています。

メインのエサはあくまで市販のメダカのエサでして、ゾウリムシはサブというかおやつという位置づけにしています。

 

ゾウリムシの培養に水道水を使うからメダカが死ぬ?

メダカの稚魚にゾウリムシを与えていたら次々に死んでしまう原因は、ゾウリムシを培養するときにカルキを抜いていない水道水を使うから。

メダカにとって水道水に含まれる塩素は猛毒なのです。

 

というようなことが言われますが、たしかにメダカにとって塩素は猛毒ですし、水換えの時などに水道水をそのまま入れればメダカには大きなダメージを与えることになります。

しかし、ゾウリムシの培養に水道水をそのまま使ったとしても、ゾウリムシがある程度増えるまでの期間に塩素は消失します。

ではなぜゾウリムシをメダカに与えることで死んでしまうのか。

実は

ゾウリムシの培養液はかなり濃度の高いアンモニアが含まれています。

おそらくですが、あの臭いニオイもアンモニアを含んでいるからではないかと。

アンモニアは猛毒でアンモニア中毒によってメダカが死んでしまう恐れが大変高いです。

アンモニアはメダカの排泄物や食べ残したエサ、枯れた水草や死骸などを分解する過程でも発生します。

しかしろ過バクテリアの働きによってアンモニア→亜硝酸塩→硝酸塩と分解されて、水草が栄養として取り込んでくれます。

ただ大量のアンモニアを水槽などに入れることで、水槽内にいるバクテリアだけでは分解することが出来ずにアンモニアとして残ってしまいます。

つまりメダカにたくさんゾウリムシを食べてもらおうと投入することで、水槽内は分解されないアンモニアが大量に溜まってしまいます。

するとメダカたちはアンモニア中毒によって次々に死んでしまうのです。

※実際にはアンモニアは水に溶けやすいので、メダカの飼育容器内がアンモニア濃度の濃い水で充満されることになります。

水槽などメダカを入れている容器の大きさ(水量)によって、ゾウリムシを与える量を加減するのはそのためなのです。

 

メダカにアンモニアをできるだけ与えないために

かなり昔ですが、早く大きくなってもらいたい一心でゾウリムシを培養液ごとドボドボと入れていると、稚魚が自分の尾びれを追い掛けるようにぐるぐる回る現象が見られるようになり、やがてすべての稚魚が死滅したことがあります。

アンモニア中毒によるものだと思います。

この経験があるので、

10Lくらいの水槽などの場合には20ml程度
60Lの水槽などの場合には100ml程度

に制限して与えています。

制限なしで与えるためには、ゾウリムシを培養液から分離・採取する方法などでアンモニアを除去しなければいけませんが、正直面倒くさい。

そこで最近は100円ショップで購入してきたコーヒードリッパー紙製のコーヒーフィルターを使って、極力アンモニア濃度を抑えて与えるようにしています。

セットしたコーヒーフィルターに培養液をスポイトなどで少量ずつ入れていきます。
※ある程度落ちたら継ぎ足す感じで

すべての培養液を入れ終わってから水を同様に少しずつ入れていきます。

ゾウリムシはコーヒーフィルターを通過しにくくフィルター内に残りますので、ある程度水を入れれてから、フィルター内の水と一緒にゾウリムシをスポイトで吸い取り、エサとして入れておく容器に移せばOK。

アンモニアを完全に取り除いたわけではありませんが、例えば培養液450ccをフィルターでろ過してアンモニアが含まれる培養液は落下。

フィルター内に培養液が残る状態で、水450ccを少しずつ入れていけばかなりアンモニアは薄まります。

 

 

 

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