昔はボールペンでの書き損じのときには砂消しゴムを使って消したり、カッターの刃を立てて紙を少し削り取るようにして削除していました。
これらの方法では文字だけではなく紙を削り取ってしまうために用紙が薄くなるので、主にメモ書きなどの時に利用されていました。
今では修正テープや修正液を使って簡単に書き損じを修正できるので多くの方が利用していますが、修正テープを使って文字を修正した書類はどのような場面で使えて、どのような場面では使えないのでしょうか。
今回は修正テープや修正液を使っても良いときと悪いときを見ていきます。
役所に提出する書類に修正テープを使う
役所に提出する書類と言ってもさまざまな物があります。
確定申告の書類(確定申告書)の場合は修正テープや修正液の使用は認められておらず、二重線を引いて消して上または横の余白部分に正しい文字を記入します。その際に訂正印は必要ありません。
「扶養控除等(異動)申告書」や「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」といった年末調整に関する書類ですが、これらの書類は税務署へは提出せずに会社で保管されるものです。しかし修正テープや修正液が使われると提出者が訂正したのか、それとも会社の人間が勝手に訂正したのかの区別ができません。
ですのでこれらの書類の場合も二重線を引いて消して訂正印を押し、上または横に正しい数字や文字を記入します。
わざわざ修正テープなどを使う人はいないと思いますが、例えば住民票の発行を依頼する際に記入する交付申請書がありますが、この書類の文字の訂正のために修正テープを使ったとしても特に問題はないようです。でも新しい用紙に記入しなおす方がスマートかな。
ただし代理人が申請する場合の委任状については修正テープや修正液の使用は認められていません。
ということで、あらゆる役所へ提出する書類に関しては修正テープや修正液の使用は基本的にダメ。
確定申告書のように特に指示されているものを除き、二重線を引いて消した上に訂正印を押し、その上または横に正しい文字を記入します。
学校へ提出する書類
新入学や新学年の際には学校へさまざまな書類を提出しますが、あれって親としては本当に面倒に感じますよね。
そしてたくさん書類があるためについつい書き損じてしまう。
健康調査票とか個人調査票とか環境調査票などありますが、これらの書類の訂正に関しても修正テープや修正液の使用は控えてください。
学校によってははっきりと修正テープや修正液の使用を禁じている場合もあります。
やはり二重線を引いてその上部などに正しい文字を記入してください。
契約書や領収書などお金に関係する書類
家を借りれば賃貸契約書があり、家や車を購入すれば売買契約書、お金を借りれば金銭消費貸借契約書(借用書)と意外と契約書を交わす機会って多いですよね。
車の売買契約書は2枚複写のものが多いですが、家の賃貸契約書や売買契約書などは2通制作してそれぞれの契約書に記名捺印するのが一般的です。
このような書類で修正テープや修正液を使っての修正は認められません。
だって誰かが勝手に書き直したり出来ちゃいますからね。
書き損じた箇所には2重線を引いてその上から訂正印を押し、上または横に正しい文字を記入するのは他の書類と同じですが、契約書の場合はさらに欄外などに捨印を押して何文字削除し何文字加えたのかを書きます。
また捨印に用いる印鑑は記名捺印したときの印鑑を用いますので、実印を押して制作した契約書の場合は捨印も実印を用います。
領収書の場合もやはり修正テープや修正液を用いてはいけません。
書き損じた箇所には2重線を引いてその上から訂正印を押し、上または横に正しい文字を記入します。
金額の訂正の場合は金額の一部の数字だけを訂正してはいけません。また数字の前の¥マークから二重線を引いて、正しい金額も¥マークから書き直してください。
領収書は正しい訂正がなされておれば有効なのですが、できれば作り替えるほうが良いですよ。
履歴書の修正に決まりはないけど
一生懸命に書き上げた履歴書だけど、出来上がりをあとから見てみたら1ヵ所だけ間違えていたり、最後の最後の所で書き損じしちゃったり。
これを全部書き直すのは大変だし・・・そうだ、修正テープを使おう!
そこでググってみたところ、履歴書の修正に修正テープや修正液を使ってはダメで作り直すとか、逆に修正テープで修正した履歴書で応募したけど採用に落ちたことはないとか、いろいろな意見が飛び交っています。
実際のところ履歴書というのはあなた自身の紹介文書で、採用に関する正式な書類という位置づけになります。
そして修正テープや修正液を使っても良いとかダメとかという問題ではなく、あなた自身の気持ちの問題になってしまいます。
とにかく人手が足りないから、あまりにも不適切な人でなければ採用しようというスタンスの時は、修正テープで修正された履歴書でも問題なく採用されるでしょう。
逆に応募がたくさんあってかなりの人数を振るい落とす必要があるとなれば、履歴書を修正テープで修正して応募する程度だから、それほど意欲も高くないだろうと判断されて不採用になることもあるでしょう。
ですので基本は履歴書を作り直すことです。
でもどうしても作り直せない場合には2重線で消してその上に訂正印を押し、すぐ上などに正しい文字を入れることです。
ただし修正箇所は1ヵ所まで、それ以上修正箇所がある場合はあきらめて履歴書を作り直してください。
ハガキや手紙の宛先の修正
はがきのあて名を間違って書いた場合どうしますか?
年賀状など官製はがきの場合は書き損じしちゃうと63円も捨てちゃうことに・・・
※交換手数料5円で新しいハガキに交換してもらえます。
でも宛名を間違えたからと言って修正テープを使って訂正するのは、さすがに相手に失礼です。
ですので新しいハガキに宛名を書くようにしましょう。
修正テープや修正液はどんな場面で使うの?
ここまで見てきた通り、修正テープや修正液を使っても良い場面というのは実は少ないのです。
役所などへ提出する書類についてはNG
契約書や領収書のほか精算表や伝票といったお金にかかわるような書類もNG
履歴書や手紙の宛先についてはダメといった決まりではなく、あくまでマナーとして使わないほうがよいでしょう。
ここまで見てきて分かりました?
つまり相手に提出する書類などに関しては修正テープや修正液を使うべきではないということです。
逆に言えば自分自身ためのメモや手帳に修正テープを使うのはもちろんOKですし、書類というよりはメモに近い用紙の場合ならば相手に渡すものでも良いと思います。
サークルの幹事をしていて、次回の集合場所や日時を記したお知らせなどは、修正テープで修正したものを渡しても大きな問題にはなりませんよね。
正式な書類の場合はダメ、そしてメモ程度の書類の場合は問題にはなりにくい、自分自身のメモや手帳の場合はご自由にという感じですね。
マナー以外の理由で修正テープや修正液の使用がダメな場合の理由は、元の文字は何が書いていて何がダメだったから修正されたのかが分からないためです。
2重線が引かれての訂正であれば元の文字が分かるので、なぜ訂正が必要だったのかが分かりますよね。
メモやお知らせ程度ならば、修正テープで文字を修正していたとしても書き間違えたのだなってことで、特に大きな問題にはなりませんから。