さまざまな理由によって、指定された学校へ通うことができない児童や生徒が多くいらっしゃいます。
そういう方の受け皿ともいうべき存在がフリースクールですが、あまり数は多くはありませんので自宅から遠いことも珍しくはなく、車で送り迎えしてもらったり電車やバスで通う方もおられますし、寮に入って過ごす方もいらっしゃいます。
公共交通機関を使ってフリースクールへ通う場合に問題になるのが定期券代ではないでしょうか。
フリースクールの費用も決して安いとは言えませんから、せめて定期券代くらいは抑えたいもの。
そこでフリースクールに通う方が通学定期券を利用するための条件や方法を解説していきます。
通学定期券とは
まず通学定期券とは
自宅最寄駅から指定された学校の最寄り駅までの区間
基本的に最短距離でないと発行されません。
あくまで通学のために利用するから、通勤定期券よりさらに割引して発売されている定期券のため、任意の駅を発着とする通学定期券は発売されません。
また指定された学校とは各鉄道事業者が指定した学校のことで、教育基本法第1条で定められた学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校)と各鉄道事業者が個別に指定した学校(専門学校など)が対象です。
学校によっては部活を別の場所で実施することもありますが、部活は単位取得などとは関係が無いので、通学定期券の発行対象とはなっていません。
また学習塾やその他の習い事に通う場合は通学にはあたりませんので、子供であっても通勤定期券を購入することになります。
定期券売り場へ行ってもすぐには買えません
小中学校は1992年、高校は2009年から、フリースクールなどへの出席日数を学校への出席日数として算入できるようになり、進級や卒業も可能となりました。
高校に対応するフリースクールの出席日数が高校の出席日数として算入できるようになった2009年から、実習用通学定期券の規定を準用する形で、フリースクールへ通う児童生徒に対しても通学定期券の発売が可能となりました。
フリースクールへ通うために通学定期券を購入する方法ですが、定期券売り場で申込用紙に記入して提出するだけでは購入できません。
これは実習用通学定期券の発売方法を準用しているため、同じ手順を踏まないと発売できないとしているためです。
実習用通学定期券とは、学校外の施設で単位取得に必要な実習を行う必要があるので、その施設へ通うことを通学として認定するので通学定期券を発行しますということですね。
学校に通学定期券発行に必要な手続きを依頼する
フリースクール最寄り駅までの通学定期券発行に必要な手順ですが
フリースクールに通うことで出席認定されることを希望すると、学校に申し出ている方が多いとは思います。
フリースクールに通うための実習用通学定期券の発行に必要な書類も、学校で用意してもらう必要があります。
学校と鉄道事業者とのやり取りは以下のような手順となります。
1)鉄道事業者に下記の項目を記入した「実習用通学定期乗車券発売申請書」を提出
- 実習を必要とする事由
- 学習科目及び指導教員の氏名
- 実習先の所在地及び名称
- 実習期間
- 実習先最寄駅
- 実習のため通学する学生等の部科・学年・氏名・年齢・現住所及び乗車区間
※現住所とは、実習期間中の居住地住所です。 - 当該実習による金銭(賃金・報酬・謝礼金など)の受領や交通費の支給の有無実習先に関する部分はフリースクールに置き換えます。
2)学校長あてに承諾書を送付
3)学校で「通学証明書」を作成し発行
赤文字で承諾番号が書かれていることを確認、この番号がないと通学定期券は発行されません。
4)学校で受け取った「通学証明書」を持って定期券売り場へ行き、売り場に設置している通学定期券購入申込書に必要事項を記入して、両方を提出して購入となります。
この実習用通学定期券は大半の鉄道事業者が磁気定期券での発行となっています。
SuicaやPASMO、ICOCAといった交通系ICカードでは発行されません!
小中学校では通常は「通学証明書」を発行する機会はないと思いますので、これらの作業についてあまり知らないことも予想されますので、
JR西日本の学生割引のてびき 第13章 実習用通学定期の取扱い
名鉄の各学校 ご担当者様へ(実習用通学定期乗車券の申請方法)
こちらを参考にしてもらうのも良いかもしれません。
なお高校の場合は通信制高校のサポート校に通う方もいらっしゃるでしょうが、今のところサポート校・連携校への通学定期券発行は認められていません。