ポケットに入れていたはずなのに…
カバンに入れた財布に入っていたはず…
駅に着いて改札から出ようとした時に、きっぷが見つからないことってありますよね。
ほとんどは自分が思っていて所ではなく、違う所に入れていたというケースが多いのですが、いくら探しても出てこないことって起きてしまいます。
きっぷを失くした場合にどういう対応をすれば良いのかを見ていきましょう。
きっぷがなければもう一度支払います
乗車券をはじめ特急券やグリーン券などを含み、きっぷを失くして提示または引き渡しできない時は、もう一度同じ運賃・料金を支払うことになります。
失くした場合のほか、きっぷ類を入れていたカバンを網棚や座席に置いていたら盗まれたといったケースも含み、きっぷを提示または引き渡しできなければ、同じ料金をもう一度支払わなければなりません。
これはJRや私鉄等の区別なく営業規則に決められていることで、支払わなければ改札から出してもらえません。
最近は列車内での盗難も多いようですから、財布やきっぷ類を入れたカバンを座席や網棚に載せたまま席から離れないように注意しましょう。
再収受証明書を発行してもらう
会社によって様式が違いますが、きっぷを紛失したためにもう一度運賃や料金を支払った場合やもう一度きっぷを購入した場合には、必ず再収受証明書を発行してもらいましょう。
失くしたと思っていたきっぷがカバンの底から見つかったとか、普段ならば入れるはずもないカバンのサイドのポケットから出てきた、なぜか手帳の間に挟まれていた…
こういうことも珍しい事ではありません。
出てきたきっぷと再収受証明書を持ってその会社の窓口へ行き、払い戻してもらいましょう。
※再収受証明書の有効期間は1年です!
たまにいるのですが、
失くした区間のきっぷが長距離のため高く(例えば新大阪~東京)、もったいないからと言って安い区間(小田原~東京)を申告し料金を支払い改札を出た。
失くしたと思っていた新大阪~東京のきっぷが出てきたので、小田原~東京間の再収受証明書を持って駅で払い戻しを要求…
原券(失くしたと思っていたきっぷ)と再収受証明書の区間や料金が違うと、駅では払い戻しを拒否されますよ。
高いかもしれませんが、失くしたきっぷの区間や料金は正しく申告してお金を払ってくださいね。
きっぷを購入した際の領収証やクレカの利用明細票
失くしたきっぷを購入した際の領収証やクレカの利用明細票を見せて、駅員に詰め寄り改札から出せと迫る人が時々いるようですが、領収証やクレカの利用明細票はきっぷの代わりとはなりませんので、当然ですが改札から出ることはできません。
領収証はきっぷを購入した際に鉄道会社側がお金を受け取ったことを証明するものですし、クレカの利用明細票はお手持ちのクレジットカードを使ったことを表す紙片です。
この部分だけ読むと、
「きっぷの代わりにならないにしても、お金を払った証明にはなるからいいだろ?」
そう考える方がいても不思議ではありません。
しかし、きっぷを購入した時点ではたしかにお金を支払った証明にはなっても、きっぷが無ければ利用する権利を有しているかどうかは分かりません。
- 一般的な無記名のきっぷ類は購入した時点(改札を通過していない)では有価証券
→きっぷに記載された区間や座席を利用できる権利を有し、鉄道会社に対して運送するように請求できる債券を有するから有価証券
- 一般的な無記名のきっぷ類で改札を通過した後は証拠証券
→きっぷに記載された区間や座席で運送してもらう権利を表す証憑だから証拠証券
きっぷを失くした人は運送してもらう権利を有していることの証明ができませんので、利用区間相当のお金をもう一度支払わなければいけないのです。
理不尽だと思われる人も多いと思いますが、領収証などではなく、きっぷ類を所持していなければ残念ながらもう一度支払わなければなりません。
極端な話になりますが
一人は目的地までのきっぷを購入して入場し、もう一人は入場券で入場します。
入場券で目的の駅まで移動した人が、きっぷを失くしたと言ってもう一人の人が購入した際の領収証を見せて降りられたら…
こんな人はそうそういないとは思いますが、領収証での下車を認めるとこういったことまで成立してしまいます。
とにかくきっぷを失くさないようにしましょう。
東海道・山陽新幹線の特別な取り扱い
東海道・山陽新幹線(東京~博多間)発着の乗車券、特急券(指定席のみ)、グリーン券をクレジットカードで購入した場合で、東海道・山陽新幹線を利用中(新幹線駅改札内・列車内)にきっぷ類を失くした時には、JR東海・JR西日本の窓口申し出ます。
この際に購入時に使用したクレジットカードや身分証明書のほか、払い戻しに使われる銀行口座情報などが必要です。
通常のきっぷを失くした時と同じように利用区間の運賃と特急料金(グリーン車利用の場合はグリーン料金も)を支払い、再収受証明書を発行してもらう。
JR東海または西日本は紛失されたきっぷの使用状況を確認し、
- 紛失したきっぷが払いもどしされていない
- 紛失したきっぷが使われていない
この2点が確認できた場合は失くしたきっぷが見つかったものとして取り扱い、手数料を差し引いて払いもどします。
払いもどしは指定した銀行口座へ、払戻手数料と振込手数料のを差し引いて振り込まれます。
乗車してからSuicaやICOCAを失くしてしまった
ピッと改札にタッチして入場し、いつものようにポケットに入れたつもりが、降りようとした時に交通系ICカードが見つからない。
こういうケースは今でもかなり多いと思いますが、乗車した駅からの運賃を現金等で支払い、記名式のカードならばすぐに利用停止の手続きを行います。
落とした交通系ICカードを第三者に使われないようにする措置を講じるわけです。
記名式の交通系ICカードの場合はチャージしている金額について補償されますが、無記名式の場合は紛失すると何も補償されませんので注意が必要です。
「お得なきっぷ」を失くした場合
普通に片道や往復きっぷを買うよりはるかにお得なきっぷがたくさん発売されています。
普通乗車券と特急券を合わせた金額よりはるかに安かったり、普通列車のみ使用できる「青春18きっぷ」などなど。
これらのきっぷをまとめて「お得なきっぷ」と呼んだりしますが、JRでは正式には「特別企画乗車券」と呼び、普通のきっぷとは違ってさまざまな制限を設けています。
お宿と一緒になったパック商品を使って新幹線に乗車したものの、きっぷ類を失くしてしまった。
このような「お得なきっぷ」も同様で、無割引の運賃や特急料金等を支払うことになります。
これらの場合も再収受証明書が発行されますので、失くしたと思ったきっぷ類が見つかれば再収受証明書とともに駅に持参して払い戻しを受けてください。
ただし、「青春18きっぷ」をはじめ一部の「お得なきっぷ」はこの扱いを行わないものがあります。
「青春18きっぷ」で東京から名古屋まで来た時に「青春18きっぷ」の紛失に気付いた。
名古屋駅で東京から名古屋までの普通運賃を支払った。
再収受証明書を受け取っていて、後日失くしたと思っていた「青春18きっぷ」が見つかり駅に持ち込んでも、払い戻しはされません。
必ず購入時に「お得なきっぷ」の注意事項に目を通し、紛失時の取扱いや払い戻しに関する事項をチェックしてください。
「お得なきっぷ」の大半は普通のきっぷ類とは違った取り扱い方が定められています。
制限がある分、普通のきっぷを購入するより安いから仕方がないのかもしれませんが。