多くの方はメダカをショップで購入していると思います。
カラフルだったり体型が変わっているなど見た目におしゃれだし、部屋の中に設置した水槽で飼ってのんびりと鑑賞するのは本当に楽しいと思います。
ただ野生のニホンメダカ(ミナミメダカ)にはショップで売っているメダカたちとは違って、素朴でありながら力強さも感じるいかにも日本の身近な淡水魚という感じも魅力があります。
しかしメダカだと思って採集したものの、実はカダヤシという特定外来生物だったという事例が大変増えています。ここではメダカとカダヤシの簡単な見分け方を見ていきましょう。
カダヤシとは
ぱっと見はメダカに似ているカダヤシという魚。
蚊の幼虫であるボウフラを捕食するから「蚊絶やし」と名付けられていますが、英名でもMosquitofishといって蚊を食べる魚という名前が付けられています。
このカダヤシはアメリカ・ミシシッピ川流域などに生息する魚で、1916年に台湾経由で日本に持ち込まれ1970年代に急速に日本での分布が広がったとされています。
最初は東京に持ち込まれたようですが、徳島市の職員が東京の排水溝などから採集して増殖させて、1968年から2006年まで毎年用水路などへの放流が続いたそうです。
あくまで日本脳炎を媒介する蚊の駆除のためだったのですが。
特定外来生物に指定
2004年に制定された外来生物法の第二次特定外来生物にカダヤシは指定され、2006年からは規制の対象になりました。
外来生物法においてカダヤシは
・飼育の禁止(飼育するには許可が必要)
・運搬の禁止(持ち帰ることはできません)
・放流の禁止(川や用水路、田んぼなどに放流はできません)
許可なく飼育した場合には1年以下の懲役 または 100万円以下の罰金
許可なく放流した場合には3年以下の懲役 または 300万円以下の罰金
という刑罰に処せられます。
メダカだと思って採集したのだが実はカダヤシだった、というケースは非常に多いですね。
いわゆるキャッチアンドリリースではありませんが、カダヤシだと気付いてすぐに採集した場所へ逃がす場合は規制の対象にはなりません。
問題はメダカだと思って持ち帰り、しばらく水槽で飼育してからカダヤシだということに気が付いたケース。
持ち帰り(運搬)と飼育は規制の対象になりますよね。
だからといって採集した場所に戻すことはできませんし、別の川などに逃がすことはもっとダメな事
(ともに放流に該当します)
法の趣旨からすると殺処分以外によい方法はありません。
※何があっても逃がさないと決めて飼育するのはありだとは思いますが、法令上はダメなんですよね。
なのでメダカとカダヤシの区別ができるようになって、間違ってカダヤシを持ち帰らないようにしましょう!
メダカとカダヤシの違いを見ていきましょう
ここからはメダカとカダヤシの違いを写真で見ていきたいと思います。
比べてみると違いがよくわかりますし、覚えてしまえばメダカとカダヤシの違いはすぐに分かるようになりますよ。
メダカとカダヤシを横から見た場合
以下の画像は
大阪府立環境農林水産総合研究所
からお借りしております。
メダカとカダヤシの違いでよく言われるのは尾ビレの形です。
カダヤシの尾ビレは丸まっており、メダカの尾ビレとは明らかに形が違います。
メダカの目の上部が青みがかっていることも、カダヤシとの違いがハッキリと分かる点です。
これらはメダカを採集しているときにでも気づきやすい点になっています。
この尻ビレの違いもメダカとカダヤシを見分ける際によく言われるのですが、メダカを採集している時には気付きにくく、プラケースなどに入れて横から見たときに分かる程度です。
メダカとカダヤシを上から見た場合
以下の画像は
日本淡水魚類愛護会
からお借りしております。
メダカとカダヤシを上から見たときの画像です。
泳いでいるときに瞬時に見分けるのは難しいですが、網ですくったときや、バケツに放り込んで上から見ると違いがハッキリと判ります。
メダカには頭部から背部にかけて黒褐色のラインというか模様(細長い逆三角形)があり、このラインに沿うように左右は白っぽくなっています。
それに対してカダヤシには黒褐色のラインというか模様はなく、筆者が今まで見てきた多くのカダヤシの頭部は赤みがかっているのです。
メダカのように白っぽくもなっていませんので、イメージとしては単色という感じです。
メダカとカダヤシをバケツに入れるなどして一緒に泳いでおれば、上から見たら簡単に判別できます。
まったく色味が違いますから、はじめての方でも簡単に判別できますよ。
あとはメダカは卵を産むのに対して、カダヤシは卵胎生といってお腹の中でふ化した稚魚を産みます。
なので尻ビレあたりに卵が付いていれば、それはメダカのメスだということになります。