車検って定期的にやってくる痛い出費ですね。新車購入後なら3年後、それ以外は2年に1回やってきます。
最近の自動車って国産・外車を問わず故障が非常に少なくなっています。ぶつけたり擦ったりしての修理はあるかもしれませんが、故障で入庫させるってことは案外少ないですよね。それだけに車検はできるだけ安く済ませたいと思う人がいる一方で、普段は点検なんて一切しないから車検の時にきちんと見てもらいたいと思う人が多いのもまた事実です。
そこであなたの愛車はどこで車検を受けるのがもっとも良いのかを、分かりやすくまとめてみました。
車検費用の内訳
法定費用
車検を受ける場所によって大きく違ってくる車検費用ですが、このうち法定費用はどこで車検を受けてもその金額が変わることはありません。
軽自動車 | 自家用乗用自動車 | ||||
— | 1000㎏以下 | 1500kg以下 | 2000kg以下 | 2500kg以下 | |
印紙代 | 1100円 | 1200円 | 1200円 | 1200円 | 1200円 |
自賠責保険24カ月 | 25070円 | 25830円 | 25830円 | 25830円 | 25830円 |
重量税 | 6600円 | 16400円 | 24600円 | 32800円 | 41100円 |
法定費用合計 | 32770円 | 43430円 | 51630円 | 59830円 | 68130円 |
普通車(自家用乗用自動車)の印紙代は従来通りの窓口申請の場合の料金で、インターネット申請(OSS申請)の場合は1000円になります。軽自動車の場合は変動がありません。
自賠責保険の保険料は2019年3月31日までに保険開始日がある場合の料金です。
重量税についてはエコカー減税対象車や、初年度登録から13年を超えている場合などには金額が変わります。
お手元に車検証を用意して、次回自動車重量税額照会サービスで確認すると正確な重量税の料金が確認できます。
車検基本料金
法定費用に車検基本料金を足したものが車検費用となります。法定費用は一定ですので、車検基本料金の違いが車検費用の違いとなって表れてくるのです。
車検代行料や検査手続代行料などとも呼ばれており、車検を受ける場所によって料金に開きがあります。また追加部品代などが発生するとさらに料金の違いが出てきます。
・検査費
検査費を正確にいうと継続検査費用で、この費用が車検そのものの料金となります。保安確認検査や距離点検などといった言葉で細分化していることもあります。
保安基準に適合しているのかを検査して合格していれば、車検の有効期限を2年間延長します。
・24か月点検整備
車検の際に一緒に行われることが多い定期点検です。
定期点検には12か月と点検箇所が多い24か月がありますが、自動車の所有者が行うことになっています。そして、車検とこの24か月点検は別個のものであり、24か月点検を受けなくても車検を通すことは可能なのです。ユーザー車検や車検代行業者がその代表となります。
ただし自動車の性能が上がって滅多に故障しないとはいえ、やはり定期的な点検を受けることで不測の故障に備えることになりますし、点検の費用以上の修理代になることも当然考えられます。
12・24か月点検ともに受けることが義務付けられています。ただし、罰則規定はありません。年に一度くらいは点検してもらうほうが良いとは思います。車の健康診断だと思って。
・代行手数料
陸運局などで車検を通すための手続きを代行で行うための手数料です。
・部品代、工賃など
車検を通すために必要な部品の交換とその工賃のほか、車検の際についでに行うオイル交換といった部品代と工賃に分けることができます。
車検を通すための部品代や工賃は必ず必要になります。
しかし車検とは関係のないオイル、オイルフィルター、オートマオイル(ATF)、エアクリーナーなどの交換は車検以外の時にでも実施できます。
どこで車検を受けるべきか
車検を受ける場所としてもっとも選ばれているのは、その自動車を購入したディーラーでしょう。同じ車種をたくさん販売して修理や点検も行っていますから、さまざまなノウハウを持っていることは事実です。でもディーラーの車検に不満を持つ人も多いですよね。
そこであなたに合った車検を考えてみましょう。
ディーラー車検
車検や点検、修理もすべてディーラーにお任せという人が最も多いですね。
先にも書きましたが、販売しているディーラーは点検や修理実績も当然多いので、その車種に対するさまざまなノウハウを持っていますので、安心して車を預けられる点が支持されているのでしょう。
ただし多くの人が抱く疑問点
“なぜディーラー車検はこんなに高いのだ?”
検査費や24か月点検の費用が若干高めなのに加えて、部品代や工賃が高くつくことが多いためです。
まだ交換しなくても車検は通るし、しばらくの間は通常通り動かせる場合でも
「交換しておくほうが・・・」
と勧められることが多く、積もり積もって高額な車検費用となってしまうのです。
ディーラーならば安心できるとお考えならば、そのままディーラーを利用するほうが良いかもしれないですね。
もっともディーラー車検をおすすめするケースは、10年以上経過する自動車の場合です。年式が古くなるにつれて故障も多くなってきますので、ディーラーで細部まで見てもらった上で点検修理するほうが安全面を考えれば良いでしょう。
逆にはじめて車検を受ける自動車の場合は、相当な距離を走っていない限りは料金が安く済むディーラー以外での車検をおすすめします。
多くの人は「知らない修理工場には持っていきにくい」という理由で仕方なくディーラーに預けることが多いと思います。
ご自宅の近くにも良い自動車整備業者や修理工場がありますよ。一度行けばディーラー以上に親身になってくれることが分かりますしね。
車検専門店(フランチャイズ)
ディーラー以外で車検を受けようかと考える多くの人が、車検専門店をその第一候補にあげていますね。
ディーラーに比べて料金がかなり安いことに加えて、車検に必要な時間が短い点も支持される理由でしょう。
車検専門店の多くはフランチャイズ制で車検に関する一定水準の技術は有していて、整備については問題ありません。
ただしディーラーと違って予防的な見地からの部品交換などは行いません。
しかし自動車整備工場や修理工場がフランチャイズに加盟して車検専門店を営業(兼業)している場合は、車検以外の点検や修理にも対応していているのでディーラーの代わりに十分なりえる存在になってくれます。
自動車整備工場
整備工場や修理工場など民間整備工場ってどことなく自動車を預けづらく感じますよね。
しかし多くの整備工場では車検などの点検のほか、修理や板金塗装といった自動車に関する様々な要望にこたえてくれる工場なのです。
最近は先にも書いたように、車検専門店のフランチャイズに加盟している整備工場も多くなり、比較的利用しやすい環境になっているともいえます。
整備工場を利用するメリットは、ディーラーと違って融通が利くことが挙げられます。工場の方と仲良くなってくれば、2日後までに修理を終わらせてといった無理も引き受けてくれることが多くなります。
また同じように車検や修理を依頼してもディーラーと自動車整備工場ではかなりの差があり、この料金の差が自動車整備工場を利用する最大のメリットです。
デメリットは、工場によっては車載コンピューターに対応する機器を備えていないことがあり、複雑な故障の場合には対応できないことが挙げられます。
ただ最近はディーラーでも他の店や工場へ修理を依頼することも多く、街の自動車整備工場と大差ないかもしれません。
できるだけ長年営業していて、安心できるお店を選べば全く問題はありません。
たとえば楽天Car車検でお店を比較すれば、簡単に安心できるお店を選ぶことができます。
ディーラーの代わりにも十分なり得ますし、例えば自動車を買い替えてメーカーが変わった時なども、自動車整備工場を利用していればずっと担当が同じですから安心して預けられるのではないでしょうか。
カー用品店
オートバックスやイエローハットなどのカー用品店は、何と言っても車検を気楽に頼めるのが良い点ですね。
車検を外注せず自店舗で行うために、1日から2日で車検を終える店舗が多くなっています。
例えば車検の時にカーナビを交換したりドライブレコーダーの取り付けを気楽に頼めるのもカー用品店の強みです。
ただし店舗によって整備士の腕に格差があるのはまぎれもない事実です。
意外と混んでいることも多く、もうすぐ車検が切れるからと電話をしても直近では予約が取れないことも多くなっています。
まめにオイル交換するなど、ある程度自動車に手をかけている人はカー用品店での車検をおすすめできます。
ガソリンスタンド
基本的にガソリンスタンドでは車検に伴う作業は行いません。
提携している工場などへ丸投げで車検を通します。
中にはガソリンスタンドのグループに工場を持っていてそこで作業を行う場合もあります。
ガソリンスタンドでの車検は整備面で不安が残ります。
また車検代行のみで24か月点検を行わないために、安価な料金を提示するガソリンスタンドも多くあります。
できるだけ車検を安く、そしてできるだけ面倒なく車検を通したい、そんな方にはいいとは思います。
ユーザー車検と車検代行業
とにかく車検を安く済ませたいのであれば、ユーザー車検に勝るものはありません。
自分で運輸局などに車を持ち込み、検査を受けて車検を通す方法です。
法定費用以外は必要ありませんのでとにかく安いです。
車検代行業はユーザーの代わりに運輸局等へ車を持ち込んで車検を通す方法で、法定費用と手間賃を支払えば利用できます。
どちらの方法でも整備に関しては自己責任で行う必要があります。
もちろん現在の車がそう簡単に故障することはないでしょう。
しかし整備士のいる工場などで分解点検してもらわなければ分からない劣化はあるはずです。
ですのでユーザー車検や車検代行業で車検を通した後、24か月点検を別で受けることをおすすめします。
日ごろの整備は自分でできるといった、かなり自動車に詳しい人ならばユーザー車検や車検代行業でも良いと思います。
指定工場と認証工場の違い
ディーラーも含めて整備工場には「指定工場」と「認証工場」があります。
指定工場には車検を行うための検査ラインがあり、運輸局などへ自動車を持ち込まずに車検を終えることができます。
それに対して認証工場では整備などはもちろんできるのですが、車検の際には運輸局などへ車を持ち込んで、運輸局内の検査ラインに乗せて検査を受ける必要があります。
多くのディーラーは指定工場を持っていますし、車検専門店は指定工場のために短時間での車検を可能としているのです。
街の自動車整備工場でも指定工場となっているところも存在しています。
それに対してガソリンスタンドは大半が認証工場ですし、カー用品店も認証工場が多くなっています。
車検代行業の中には認証工場となっているところもありますが、何の資格もないところもたくさんあります。
指定工場や認証工場は運輸局から認可や指定を受けています。
特に指定工場では運輸局による抜き打ちのチェックが行われており、不適合車に対して車検を通すなどしていれば指定工場の資格はく奪など重い処分が下されるため、その分安心して車検や点検整備を任せられる工場だということができます。