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タニシが死んだ… 原因は餓死、水質悪化、寿命

メダカ

水が汚れてきたように感じたので水替えをする。

メダカを飼っている方にとってはごく当たり前の行為ですし、水替えをしないと生体に悪影響を及ぼしますから。水替えのついでに底に溜まったゴミを吸い出したり、側面に付いたコケやアオミドロもはぎ取ってピカピカな状態にしました。水も澄んでいて底まできれいに見えるし、これならばメダカたちも喜んでくれるだろう。

ところが

多くのヒメタニシがフタを閉じたまま底でひっくり返っている…。

それってキレイにしすぎたことが原因かもしれませんよ。

 

 

タニシはコケだけを食べて生きているのではない

タニシといえば、水槽などの壁面に付着したコケを食べてキレイにしてくれるコケ取屋さんというイメージがあります。

これはタニシの食性の一つ、刈り取り(グレイザー)食です。

ただしタニシにはほかにも、二枚貝では一般的な水中の植物性プランクトンをろ過しながら食べるろ過摂食や、有機物を食べるデトリタス食の3種類の摂食方法を持っている珍しい貝類です。

タニシって実はかなりの大食漢で、水槽の壁面に付着したコケや藻類だけでは足りません。このために他の摂食方法も駆使して食料を確保しているというのが実態なのです。

この中でろ過接摂食は積極的には行わず、コケなどを食べるグレイザー食と有機物(メダカの死体や枯れた水草の葉や根など)を食べるデトリタス食が主だと言われているそうです。

 

 

タニシにとっても水替えは重要

タニシってメダカ以上に水質悪化には敏感で、メダカがふつうに水中を泳いでいる状態であってもタニシは水面近くまで上がってきたり、数日後には底でフタをしっかり閉めたままじっとしていたり、その状態でひっくり返っていたりします。

タニシが水面近くまで這い上がってくるのは水質悪化が原因で、その苦しさから逃れるための行動なんですね。また殻の一部が白く変色している場合は、水質が酸性へと傾き溶け出しているため。かなり水質が悪化している証拠ということです。

なのですぐにでも水替えを行うべきです。

 

ちなみに水質悪化とは、バクテリアによるアンモニア→硝酸塩→亜硝酸塩への分解が進まない状態だったり、水草が少なくて亜硝酸塩をすべて取り込めない状態によるもの。

アンモニアはエサの食べ残しのほか糞などから発生するほか、メダカ自体も輩出します。
エサの与えすぎで水が富栄養化するとも言われますが、富栄養化=水質悪化ということです。

水替えとは富栄養化した水(アンモニア、硝酸塩、亜硝酸塩の混じった水)を減らし、きれいな水を入れることで富栄養化した水を薄めること。タニシにとっても水替えは重要なのです。

 

 

タニシの死因の大半は餓死

筆者はずっと水替え時にはついでに底に溜まったゴミ類を吸い出していました。水替えついでにゴミを吸い出すことで、メダカやタニシがいる飼育水がよりキレイになると思っていましたから。
でも筆者が考えていた水質悪化や飼育水がキレイになるということと、タニシにとって住みやすい環境は全くの別物だったのです。

 

寒い冬を超えて春が到来し、底でじっとして動かずにいたメダカや底床に潜り込んでいたタニシが少しずつ動き始めたころ、底には枯れ落ちた水草の葉や根をはじめ、冬を越すことができなかったメダカの死体や何のゴミだか分からないものなどが堆積していました。

春を迎えたことでもあるし、キレイな状態にしてあげようと思って水替えと底のゴミ類の吸い出しを行いました。ついでに壁面に付着したアオミドロもはぎ取って、透明で透き通ったきれいな水にしたわけです。

ところがその後、多くのタニシたちは蓋を閉めたまま底でひっくり返っています。
タニシを一か所に集めて置いておいたのですが、数日経ってもその場所からほとんどのタニシが移動していない。中には蓋が取れてしまって昇天したタニシも・・・

掃除の前、水草から抜け落ちた大量の根っこが溜まった部分にタニシたちはたくさんいたのです。デトリタス食によってタニシたちは食事をしていたのですね。
底に堆積したエサの食べ残しをはじめ水草の根や葉などは、たしかに水質悪化の元になりますし、メダカより先にタニシに影響が出るのもたしかです。

その反面、水替えと同時に底に堆積したものを吸い出すことでタニシたちは食料を失います。

水を替えるだけでも、ろ過摂食によって得ていた植物性プランクトンも少なくるし、刈り取り(グレイザー)食で得ていた壁面のコケやアオミドロも筆者がはぎ取ってしまったし。
人間が考える見た目にきれいな水と、メダカやタニシたちが快適に棲むことができる水って別なんだなぁって思った次第です。

つまりタニシの死の大きな原因は餓死です。
それまではタニシに別途エサを与えなくても自然と数が増えていたのですが、それまでがたまたまだったのかもしれません。
メダカと共生を初めて1カ月ほどは特に変化はないけど、その後次々にタニシたちが死んでい行く原因の多くは餓死だと言われています。

水替え後にタニシの元気がなくなったりするのは、餓死が原因だと考えて差支えないです。
タニシ用のエサを別に与える場合のおすすめはキョーリン ひかりクレストプレコで、エビたちに交じってヒメタニシがエサに寄ってきている場面をよく見かけます。
手軽に済ませるのならば稚魚用の粉末エサがいいです。水面近くまで上がってきたタニシに稚魚用のエサを与えると、食べている様子が観察できます。

 

定期的な水替え

水替えとはアンモニア・硝酸塩・亜硝酸塩を輩出するということです。
バクテリアによってアンモニアが硝酸塩へ、そして亜硝酸塩へと分解されて水草が吸収するわけですが、生体が多いと水草だけでは吸収しきれずにコケやアオミドロが発生します。
そのコケはタニシが食べるのですが、ただコケが生えやすい環境というのは水質が悪化しているわけですし、タニシにも影響が出てきます。

タニシを飼っていると水面近くまで上がってきている様子を見ることがありますが、これ実は水質が悪化しタニシが苦しくなって上がってきている状態で、やがて底に潜って殻のふたを閉じてジッとして動かなくなり、死んでいくのです。
タニシが水面近くまで上がってきているときは水質がかなり悪くなっている証拠ですから水替えを行いましょう。

タニシの殻の色が白っぽくなっていませんか?
これも水質が悪くなっていることを表し、飼育水が酸性へと傾き殻が溶け出しているのです。
硝酸塩や亜硝酸塩は酸性ですから、これらを取り除いてカルキを抜いた水と交換して中性に近付けましょう。

ちなみにメダカやミナミヌマエビよりもタニシのほうが水質悪化には敏感で、水質浄化目的でタニシを入れるよりは、水質悪化のバロメーターとしてタニシを入れるほうが正解なのだろうと、筆者は思っているくらいです。

 

タニシの寿命

寿命で亡くなるのは仕方がないというか、きちんと飼えた証拠ですから素晴らしいことだと思います。
タニシは2年から4年程度生きると言われており、意外と長生きします。

ただ実際には半年から1年程度で死なせてしまうことも多く、環境によってはさらに短い期間しか生きられないことも。

あまりタニシが長生きしない場合はエサ不足と考えて間違いないでしょう。

 

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